【結論】
カメムシを発見したらペットボトルやティッシュを用いて外に放つのが無難。殺虫スプレーは成分が猫に付着しないように気を配る必要があります。ハッカ油などは猫に好ましくないため生活圏外で使用しましょう。
この記事にはカメムシをはじめとした虫の画像を極力使用していません。虫嫌いな方でも安心してご覧いただけます。
近年問題視されることが多いカメムシの発生。カメムシの出現に悩まれるご家庭も少なくないはず。特に猫をはじめとしたペットを飼っている場合、気付かぬうちにカメムシにちょっかいを出してトラブルを拡大させてしまう懸念もあります。
今回は猫歴20年以上の筆者「たけのこ」が、猫に配慮したカメムシ対策について解説していきます。
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猫に配慮したカメムシ対策のポイント
猫を飼っている家庭では、カメムシという害虫に対応するとき注意点があります。ここでは猫に配慮しながら効果的にカメムシを排除・予防するポイントについて解説します。
ペットボトルトラップで捕獲するのが無難
まず結論として、室内にて遭遇したカメムシはペットボトルなどに誘導して外に放つのが無難です。ペットボトルでなくとも瓶・缶など使い捨ての物であるならOKです。
ただ、ペットボトルであれば自家製トラップを作成しやすいメリットがあります。ネットやSNSでよく見かけるのが、「カメムシホイホイ」と呼ばれるトラップ。
- ペットボトルの1/3を切り落とし逆さにしてはめる
- テープで固定する
上記2ステップで作れる簡単なトラップ。カメムシをはじめ虫の多くは危機を感じたら下に落下する習性があるとのこと。これにより壁にくっついているカメムシたちはカメムシホイホイを近づけただけで吸い込まれていくと評判です。
ペットボトルを切るときは硬いのでケガしないようお気を付けて!
ティッシュなどを使うのもアリ
カメムシが床を歩いている・手元にペットボトルなどがない。そうしたときの対応としてはティッシュ、もしくは厚手の布などをそっと敷いて、カメムシが乗ったらそのまま外に持っていくのがベター。後述しますがカメムシが家に侵入した際、素手で触るのはNG。独特の臭いが手に付いてしまいます。
また、猫が飼い主さんの手についた臭いを嗅いだり、舐めたりすると不快そうな反応を示すかもしれません。ティッシュや厚手の布でカメムシを包んで外に出す方法は、簡単かつ安全な対処法と言えます。
ただし、包む際はカメムシを強く圧迫しないようにしましょう。圧迫されカメムシが脅威を感じ取ると臭い成分が放出されてしまいます。ややリスクはありますが、ティッシュで回収するときはカメムシを刺激しないようにそっと対応しましょう。
ハッカ油は猫にいる家庭では配慮が必要
カメムシの侵入対策として有名なのが、ハッカ油。ハッカ油をはじめとしたハーブの香りは、カメムシなどの害虫を寄せ付けない効果があります。しかし、猫を飼っている家庭で使用するときは配慮が必要です。
植物成分の多くは猫にとっては有害である可能性が指摘されています。吸い込むだけでも健康被害を懸念する声もあり、積極的に使いたいものではありません。
とはいえ、ハーブの香りはカメムシをはじめ害虫除けとしてある程度効果が期待できるのも事実。使用する際は室内での使用を避け、猫の生活圏外である庭や玄関先など外で使用しましょう。
殺虫スプレーを使用するときの注意点
カメムシを駆除するときは専用の殺虫スプレーを使用するのもひとつの方法です。しかし、害虫対策として広く用いられている殺虫スプレーも注意点があります。
スプレーを室内で塗布すると床などに殺虫成分が残留します。その場所を猫が歩く、もしくは座ることにより猫の体に殺虫成分が付着。毛繕いする際に摂取してしまう懸念があります。室内でスプレーを吹きかけた後は、その場所を清掃するまで猫を近づけないことが大切。そして、使用後は部屋を十分に換気しましょう。
部屋に入れない対策が重要
カメムシが部屋に入る前に、対策を講じることも重要です。特に越冬準備をはじめる9~11月頃は、カメムシも室内に侵入しやすくなるため隙間から侵入できないよう対策を実行する必要があります。
たとえば、窓やドアの隙間をしっかりと塞ぐことが有効。カメムシは2mm程度の隙間からでも侵入できるため、テープなどでしっかりスキマをなくしましょう。換気扇など空気を入れ替える場所からも侵入することがあるため、ネットなどで対策しておきましょう。
市販の忌避剤も有効
市販されているカメムシ忌避剤も、効果があります。個人的なおすすめは、アースガーデンカメムシよけ撃滅はるタイプ。化学殺虫成分は不使用な商品。忌避成分としてハーブ成分が使用されているのがネックですが、窓の外に貼るタイプなので、そこまで神経質になる必要はないと考えられます。
【安全性】「アースガーデン カメムシよけ撃滅 貼るタイプ」は乳幼児・子供・妊婦・犬・猫などに対しては安全ですか。
有効成分として植物由来成分を使用しており、その他の成分も安全性は高いものです。 通常の使用では特に問題はありませんが、お子様やペットが直接触れたり、口にしないようじゅうぶんに注意してください。
引用:アースガーデンカメムシよけ撃滅 貼るタイプ商品ページ
猫を含むペットへの安全性について、アース製薬は上記のように紹介しています。基本的に安全性が高いですが、もしもペットが誤って舐めてしまった場合は獣医師に相談するよう指示があります。
素手で触らないこと
先にも触れましたが、カメムシは臭い成分を放出する生態を持っています。そのため、素手で触るとその成分が手に付着し、なかなか臭いがとれません。だいたい1週間くらいは臭いの成分が揮発しないと言われています。このようなトラブルを防ぐためにも、カメムシには素手で触れないようにしてください。
もしも、手に臭いが付いたらサラダ油やオリーブオイルなどをつけて洗い流す方法があります。カメムシの臭い成分「トランス-2-ヘキセナール」は油に溶けやすい性質があるためです。油で手を洗った後は石鹸や中性洗剤などで綺麗に洗い流しましょう。ただし、手荒れには注意が必要です。
猫はカメムシを食べたときの対応
猫は好奇心が旺盛で、動くものに興味を持つ傾向があります。そのため、家に侵入したカメムシを食べてしまう可能性もゼロではありません。
猫がカメムシを食べたときは、慎重に様子を見守り必要に応じて動物病院に相談しましょう。一般的にカメムシは、そこまで強力な毒性を有さないといわれています。猫がカメムシを食べても、そこまで大きな問題はないという意見は多いです。
カメムシの特性
ここでカメムシの特性をおさらいしましょう。知っての通り、カメムシは自分に危害が加わりそうになると、身を守るため強烈な臭い成分を放出します。この威力は密閉空間であれば放出したカメムシ自身がノックアウトされるほど。ただ、多くのカメムシは強力な毒性は有していないため過剰な心配は不要です。
カメムシは1年中生息している虫であり、特に春から夏は暖かいため活動的です。一方、カメムシは寒さに弱いため冬になると越冬するための行動をとり始めます。秋ごろになると一斉に冬を越せる場所に移動し始め、条件が揃えば民家に侵入することもあります。
参考:京都府内のカメムシ類
猫についたカメムシの臭いをとる方法
もし猫がカメムシに触れてしまい、その臭いが体についてしまった場合、シャンプー対処法が考えられます。
猫用のシャンプーで丁寧に洗い、臭いを取り除きます。間違っても人間用のシャンプーは使ってはいけません。
シャンプーが十分に落ちないと、猫が舐めたときに体調を崩す原因になる可能性があります。しっかりと水ですすぎましょう。
洗い終わった後は、しっかりとドライヤーなどで体を乾燥させます。
ただ、猫がシャンプーをしたことない、もしくは嫌いな場合、無理やり体を洗うとかえってストレスを与えてしまう懸念があります。そうした場合は、無理にニオイをとる必要性は低いです。
カメムシの臭いは揮発性の成分で1週間も経過すれば、だいたい感じなくなります。特に猫の場合は被毛は定期的に生え変わり、臭いを薄めることが期待できる日光浴も好んで行うため臭いはとれやすいです。
カメムシの大量発生
日本では、度々カメムシが大量に発生するケースがあります。2023年でも秋ごろに越冬する場所探しのため一斉に移動し全国的に大量発生のニュースが報道されました。
参考:福島県「令和5年度 病害虫発生予察情報 注意報 第2号」
大量発生する原因としては、その年の気温が高くカメムシが活動しやすい気候であるなどが挙げられます。一説では、地球温暖化が進むとカメムシが増加する可能性も指摘されています。
よくある質問
その他の注意したい害虫一覧
ネコノミ | ダニ | 小蟻 | 蜘蛛 | ムカデ | 蜂 | 蚊 | ハエ | ナメクジ | セミ | カメムシ | ゴキブリ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
危険度 | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★ | ★★★ | ★ | ★ | ★★★★★ |
猫への危害 | アレルギーや寄生虫を媒介 | ダニの種類にもよるが、いずれも悪影響を及ぼす | 基本的にはそこまで高くない。ただし、ヒアリがヤバイ | 蜘蛛の中には毒を持っている種類もいる | 痛み アナフィラキシー | スズメバチがヤバイ | アレルギーとフィラリア | 不衛生 | 猫肺虫・肺吸虫のリスク | 特別、大きな危険性はない | 特別、大きな危険性はない。だが、臭い。 | 細菌や寄生虫のリスク |
人間への危害 | 血を吸われる アレルギー | マダニがヤバイ | ヒアリがヤバイ | セアカゴケグモがヤバイ | 猫と同じく痛み アナフィラキシー | スズメバチの毒がヤバイ | 感染症を媒介 | サルモネラ菌やO157 | 寄生虫媒介のリスク | 特別、大きな危険性はない | 特別、大きな危険性はない。だけど、臭い。 | 猫と同じく細菌や寄生虫のリスク |
有効な対策 | 駆除薬 ブラッシング | 駆除薬 ブラッシング | 駆除薬 | 他の害虫対策 | 熱湯 餌となるゴキブリ対策 | 避難 害虫駆除業者に相談 | 蚊取り線香 フィラリア予防 | めんつゆトラップ 駆除薬 | カフェイン 駆除薬 | 猫を外に出さない | 室内に入れない 素手で触らない | 駆除薬 害虫駆除業者 |
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猫のためにもカメムシ対策はしっかりと!
カメムシは年中遭遇する可能性がある手強い虫です。下手に刺激すれば悪臭を放つ厄介者。苦戦される方も多いはず。猫を飼っていると、配慮しなければいけないポイントが増えて余計に大変です。
今回の記事を参考に、猫に配慮したカメムシ対策を実践してみてください。