【結論】
観葉植物の中には猫に対して毒性を有する種類が多く存在します。危険な植物の例としてユリ、チューリップ、スズランなどが挙げられます。
猫を飼っている方の中には、観葉植物を育てている方もいるはず。観葉植物は室内を華やかにし、見る人の心をリラックスさせてくれます。しかし、猫が観葉植物に触れたり、食べてしまうと危険な状況に陥るリスクも同時に存在します。
今回は猫と観葉植物の関係について、猫歴20年以上でペット資格も有する筆者「たけのこ」が解説します。
後悔する前に対策しておきましょう
身近にある猫に危ない植物を動画にまとめました!
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猫が観葉植物を食べると危険
観葉植物は室内に彩りをもたらしてくれますが、実は猫にとっては危険な存在です。
元々、猫は完全肉食動物。生存のために植物を必要としません。そのため、人間や犬に比べ猫は植物の成分を体内で処理する能力が乏しいと言われています。人間や犬には無害でも猫にとっては毒となる観葉植物も少なくありません。
植物の種類によっては劇毒だったりします……。
猫が植物を食べる理由
猫にとって植物は危険なケース多い一方で、猫草などを好んで食べる子もいます。猫が生存に不要な植物を食べようとする理由は、正直よく分かっていません。
花瓶の水や花粉も危険
観葉植物の中でも、ユリ科の植物は特に危険。猫にとって劇毒です。
ユリを飾っている花瓶の水や花粉でも、猫に危害を与えます。ユリ科の植物は100種類以上存在しており、チューリップも該当します。それだけ危険な存在であるにもかかわらず、猫が近付き食べてしまうケースもあります。
家に持って帰らないことがベスト!
アロマオイルも避けた方が無難
香りで気分を落ち着かせ、心を和ませてくれるアロマオイルも猫を飼育するなら避けた方がいいと言われています。ロマオイルは言い換えれば、植物の成分を凝縮させた溶液です。空気中の香りを吸引する、毛に付着した成分を舐めとることで、猫に害が生じる可能性があると考えられています。
ただ、猫とアロマオイルの関係については研究途中であるため、どの種類・程度がアウトなのかも定かにはなっていません。
エッセンシャルオイルの中でも、ティーツリーは特に危険性が高く、オーストラリア・ティーツリー産業協会(ATTIA)でも警告が出されています。
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マタタビの安全性について
「猫に木天蓼(マタタビ)」と言われるくらい有名ですが、与え方には気を配ってあげる必要があるといわれていました。体が未発達な子猫や体力が低下している老猫の場合、負担を与えてしまう恐れがあるという意見があったのです。猫がマタタビに依存する心配や内臓器官の負担に対しても懸念されていました。
そうした猫とマタタビに関する不安に答えを見出したのが、岩手大学・名古屋大学・英国リバプール大学の研究グループによる調査。猫におけるマタタビへの依存性や体への負担を調べたそうです。その結果の概要は以下の通り。
- マタタビへの興味は時間とともに少なくなる傾向があり依存性はない
- 3年間マタタビを与え続けた複数匹の猫の血液を調査したところ、肝臓・腎臓数値に異常はなかった
この研究結果により、猫に対するマタタビの安全性は極めて高いことが根拠付けされました。
ちなみに、上記の研究ではマタタビの葉を乾燥させることで猫への興味付け効果が高まることも発見されたとのこと。その知見を応用し開発されたのが、マタタビスプレー「ララペレッティーMe」。気になる方は併せてチェックしてみてはいかがでしょうか。
試しに使ってみた!
参考記事:ネコが大好きなマタタビ、あげても安全 ~マタタビの葉を原料とした嗅覚エンリッチメントの開発~
猫にとって危険な観葉植物一覧
猫に危険な植物 | ユリ | チューリップ | スパティフィラム | フィロデンドロン | ディフェンバキア | ゴムの木 | ヒイラギ | 青年の木 | サンセベリア | 金のなる木 | アロエ | イチイ | スイセン | ヒヤシンス | ポトス | モンステラ | アイビー | カーネーション | カポック | シクラメン | ユーカリ | ドラセナ | スズラン | カランコエ | スイートピー | サボテン | サゴヤシ | アサガオ | アジサイ | オシロイバナ |
備考 | すべてが危険 | 実はユリ科 | 実はサトイモ科 | サトイモ科の観葉植物 | サトイモ科熱帯植物 | クワ科フィカス属の植物 | モクセイ科モクセイの常緑樹 | 正式名称はユッカ | 多肉質な観葉植物 別名トラノオ | 正式名称 クラッスラ・ポルツラケア | 意外と危険 | 盆栽としても | ヒガンバナ科スイセン属 | キジカクシ科ヒヤシンス属 | つるが伸びる サトイモ科の植物 | サトイモ科の植物 | 別名ヘデラ | ナデシコ科ナデシコ属 | 別名ヤドリフカノキ | サクラソウ科シクラメン属 人間にも危険な毒を持つ | フトモモ科ユーカリ属 コアラで有名 | スズラン亜科の熱帯地域原産の植物 | ユリと同じくらい危険 | ベンケイソウ科の植物 | マメ科レンリソウ属 | 成分というより トゲトゲが危険 | ヤシ科サゴヤシ属の植物 | ヒルガオ科サツマイモ属 身近だが注意 | アジサイ科 身近なので注意 | オシロイバナ科 |
猫にとって危険である可能性が高い観葉植物を上記にまとめました。結論述べると、猫にとって危険性が高い植物はすべて判明している訳ではありません。しかし、大多数の植物には有害性があるとされており、基本的には植物すべてアウトくらいのスタンスが望ましいでしょう。
特に注意したいのがユリ科とサトイモ科の植物。猫に対する有害性が高いことに加え、種類も豊富。実はユリ科・サトイモ科だったという観葉植物も少なくありません。
アメリカ動物虐待防止協会(ASPCA)でも、ペットに対して危険性が高い植物のリストを公開しています。当然、海外サイトで英語表記ですが、気になる方はチェックしてみてください。
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猫に観葉植物を食べさせない対策
飼い主さんが注意していても、肝心の猫が目を離した隙に観葉植物をかじってしまうことがあります。特に好奇心旺盛な性格の子猫と暮らしている方は注意が必要でしょう。
猫が観葉植物を食べないための対策を解説します
最もベストなのは持ち込まないこと
身も蓋もありませんが、植物の脅威から猫を守りたければ家に持ち込まないことが最善の対策となります。
猫の安全を最優先してます
ドライフラワーにして飾る
貰った花束などは、どうしても捨てたくない!という方は、ドライフラワーに加工して飾る方法をオススメします。一見、難しそうに思えますが、道具さえ揃えば初心者でも簡単に加工できます。
- 密閉容器とドライフラワー用シリカゲルを用意
- 花の茎を切り落とし、密閉容器にシリカゲルと一緒に詰める
- 一週間ほど置いておけば完成
密閉容器は100均のタッパーなどでOKです。ドライフラワー用のシリカゲルはホームセンターでも扱っていますが意外と見つかりにくいので、ネット購入する方が楽です。
保護カバーを装着
観葉植物には虫などの外敵から保護することを目的としたカバーが販売されています。これを装着しておくことで、猫が直接、観葉植物に接触することを防げます。
過信は避けましょう!
吊り下げる
観葉植物を天井や壁などに吊り下げることで、物理的に猫が手を出せないようにするのも対策として有効です。シンプルですが、猫に観葉植物を食べさせない対策としては十分効果があります。
ただ、吊り下げられる植物は小さい物に限られる上、道具や環境も必要となります。観葉植物の中には、散った花びらや葉っぱも有害である種類もあるため注意が必要なことには変わりがありません。
木酢液や柑橘スプレーを活用
観葉植物の周囲に木酢液や柑橘スプレーなど、猫が忌避しやすい香りを塗布することも、ひとつの対策です。
嗅覚が優れている猫にとって、酸っぱい香りや独特な匂いを放つ木酢液は苦手。ある程度猫よけの効果が期待できます。ただし、それらの匂いは猫にとってストレスとなる恐れもあります。
また、基本的に匂いでの対策は日数が経過すると効果が薄れていってしまいます。確実な対策とはなりにくいため、あくまでも補助的な要素として捉えておきましょう。
観葉植物がある部屋に入れない
部屋が複数あるご家庭の場合、観葉植物がある部屋を猫の生活圏から除外させることも対策としてアリです。とはいえ、猫はドアの種類によっては開けてしまうケースもあります。
徹底的に侵入を防ぎたいのであれば、脱走対策扉などをドアの前後に設置するのがオススメ。最近の脱走防止扉は突っ張り棒タイプなので賃貸の部屋でも手軽に設置できます。
物理的に侵入を防ぎましょう
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猫が観葉植物を食べた場合の対処法
万が一、猫が観葉植物を食べてしまった場合、とにかく早く動物病院に連絡しましょう。
絶対に避けた方が良いのが、獣医療の知識がない飼い主さんによる応急処置です。知識がない状態で無理矢理、猫を吐かせる行為は場合によっては逆に状態を悪化させる恐れもあります。猫が観葉植物を食べてしまったとき、まずは動物病院に連絡して専門家の指示を仰ぎましょう。
夜も、緊急対応している動物病院に連絡しましょう!
フェイク植物もおすすめ
猫を飼っているけど、部屋が殺風景になるから植物を飾りたいという方にはフェイク植物をオススメします。偽物なので、猫が噛んでも舐めても危険はありません。
植物以外に野菜や果物のフェイクもありますよ
100均のフェイク植物
フェイク植物は100均ダイソーなどでも購入できます。100均と言えど、見た目は本物そっくり。季節に合わせたフェイク植物が販売されています。100均の弱点である耐久性に関しても、飾るだけなので大した問題となりません。
ただし、100均のフェイク植物は季節や時期によって変動します。気に入ったフェイク植物がある保証がありません。100均の中にはオンライン販売に対応しているメーカーもありますが、送料が発生し使い勝手も悪いです。
オンラインでの購入
フェイク植物は、オンラインでも購入可能です。多少お値段がかかっても自宅でゆっくり選んで、届けてくれる方が嬉しい方はオンラインでサクッと買ってしまうのがオススメです。大きいサイズのフェイク植物を飾りたい場合もオンライン購入の方が搬入が楽です。
楽天やAmazonでも購入できますが、専門店での購入もオススメです。
お値段が安い商品よりもクオリティが高く、まるで本物のような見た目と質感。選べる商品・カラーバリエーションも豊富でデザイン性にも優れており、インテリアとしてはかなり優秀です。
本格的なフェイク植物・造花をお求めの方にオススメです!
猫に安全かもしれない観葉植物一覧
植物名 | 猫草 | キャットニップ | バラ | ガーベラ | ヒマワリ | キンギョソウ | フリージア | トルコギキョウ | スターチス |
備考 | イネ科の若葉 | 与え過ぎには注意 | 棘には注意 |
猫にとって比較的安全性が高い植物をまとめました。注意点として、あくまでも安全性が高いと言われているだけであり確実に問題がない保証はありません。
上記の植物であっても猫が食べた・接触した場合は獣医師や動物病院に相談しましょう。
食べる以外の注意点
猫と観葉植物における注意点は、食べることや中毒だけではありません。油断していると思わぬトラブルに頭を抱える羽目になるため、ここでその他の注意点についても把握しておきましょう。
鉢土を掘る
猫にもよりますが、植木鉢の土を掘り返してしまう子もいます。土を掘り返されることで、室内が汚れてしまうだけでなく、猫が植物の根をかじってしまう危険も高まります。
保護カバーで観葉植物を覆うなどで対策しましょう
尖った葉が刺さる
- アロエ
- イチイ
- サボテン
観葉植物の中には、葉っぱの先が鋭く尖っている種類もあります。そのため、興味本位で噛んだ猫が口の中を怪我しまうかもしれません。
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猫がいる家では観葉植物を置かないのが理想
観葉植物の中には、猫にとって危険性が高い種類が数多く存在します、猫と植物の関係については、まだ解明されていないことも多いため、基本的には植物や花を猫に近づけないことが無難です。理想を言うのであれば、猫を飼う家では観葉植物を置かないのが望ましいです。
とはいえ、適切な距離感を保てば猫を飼いながらでも観葉植物を飾ることは可能です。近年では高クオリティのフェイク植物も販売されているため、心配な方はそちらで室内を彩ることをオススメします。
この機会に室内の観葉植物の管理を見直してみましょう