【結論】
一般的に飼いにくいと言われるのは、アビシニアンのように元気いっぱいで活発な猫やスコティッシュフォールドのように遺伝子疾患を抱えやすい猫種です。一方、本当に飼ってはいけないのはトラやライオンなどの特定動物たちです。
インターネットで「飼ってはいけない猫」と検索すると、飼ってはいけない猫ランキングというタイトルの記事がたくさん表示されます。
ただし、これはあくまで表現の問題で、実際は一般的なイエネコに飼ってはいけない猫種は存在しません。多くのサイトで解説されているのは、飼ったとき苦労に感じる一面もある猫というだけです。
そのため、ネット上の飼ってはいけない猫ランキングで紹介されている猫種と既に暮らされている方は、ご安心ください。
この記事では、飼ったら苦労も多い猫ランキングについて解説します。

どの猫もみんな可愛いし良いとこいっぱいです


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飼ったら苦労も多い猫ランキング
一言で猫と呼んでも、その品種は様々。品種ごとに抱えやすい問題は異なり、それらによって飼いやすさも左右されます。
ここでは飼ったら苦労が多い猫種たちを紹介していきます。
1位:アビシニアン


飼ったら苦労することが多いと言われるのが、アビシニアン。好奇心旺盛で活発な性格であるため、室内を駆け巡ることが多いです。活発な分、イタズラも目立つため、飼い始めた頃は苦労を感じる機会も多いでしょう。運動不足にならないよう上下運動できるキャットタワーなどの設置やこまめな遊びが大切です。
また、遺伝的に発症しやすい病気も多いため、動物病院での定期的な検診と日頃からの健康チェックが重要です。
その反面、元気いっぱい走り回る姿は見る人の心を癒してくれます。活発に走り回るアビシニアンと一緒に遊ぶと楽しいですよ。


2位:ソマリ


ソマリも元気いっぱいな猫種のひとつ。アビシニアンの長毛種にあたる猫種で、基本的な特徴は同じです。アビシニアン同様、活発に動き回ります。ついついイタズラしてしまうことも多い点には注意が必要といえます。
長毛猫ではありますが、ものすごく長いわけではありません。アビシニアンよりはふさふさといったイメージが近いです。その風貌から「狐のような猫」と称されることも。鳴き声は小さく可憐で可愛らしいですよ。


3位:ベンガル


ベンガルもワイルドで野性味あふれる猫種です。非常にエネルギッシュな個体が多いため、思い切り遊べる環境を用意してあげることが大切です。快適に暮らすためにキャットタワーなど上下運動できるアイテムは、必須級といえます。また、定期的に飼い主さんと一緒に遊ぶ時間を設けてあげましょう。
比較的、遺伝子疾患は少ないと言われていますが、猫全般が患いやすい泌尿器疾患・腎臓病などには配慮してあげる必要があります。


4位:シャム猫


シャム猫は、別名サイアミーズといいます。
上品な見た目、人懐っこい性格から人気が高い猫種です。意外と活発に走り回ることが多く、ビックリされる方もいます。また、少々ワガママな一面を併せ持ちやすい他、鳴き声も大きい傾向にある点は飼う前から覚悟しておきましょう。
また、シャムネコの魅力ともいえる青い瞳は遺伝子疾患を引き起こしやすい点も注意したいところです。


5位:スコティッシュフォールド


まるで、ぬいぐるみのような可愛らしさを持つスコティッシュフォールド。垂れ耳と丸っとした体つきが可愛いと評判です。性格も穏やかで温和な個体が多いことから、初心者でも飼いやすくはあります。
その一方で、スコティッシュフォールドは遺伝的に骨軟骨異形成症を患う確率が非常に高いです。関節炎も併発することで手足に痛みを抱えがち。通称スコ座りはこの痛みを回避するための仕草です。
そのため、こまめな動物病院への通院や間接に負担をかけにくい環境づくりなどの努力が、飼い主さんには求められます。また、そうした背景もありスコティッシュフォールドを飼育されている方に非難の声が届くこともゼロではありません。
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本当に飼ってはいけない猫ランキング
チーター (アキノニュクス・ユバトゥス) | カラカル | アジアゴールデンキャット (カトプマ・テンミンキイ) | ジャングルキャット (フェリス・カウス) | オセロット (レオパルドゥス・パルダリス) | サーバル (レプタイルルス・セルヴァル) | オオヤマネコ属 (リュンクス属) 全種 | ウンピョウ (ネオフェリス・ネブロサ) | ライオン パンテラ属(ヒョウ属) | ジャガー パンテラ属(ヒョウ属) | ヒョウ パンテラ属(ヒョウ属) | トラ パンテラ属(ヒョウ属) | スナドリネコ (プリオナイルルス・ヴィヴェルリヌス) | アフリカゴールデンキャット (プロフェリス・アウラタ) | ピューマ属 (プマ属) 全種 | ユキヒョウ (ウンキア・ウンキア) | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
特定動物 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
大型 | 小型 | 大型 | 大型 | 大型 | 大型 | 大型 | 大型 | 大型 | 大型 | 小型 | 大型 | 大型 | ||||
大きさ | 110~140cm | 50~90cm | 70~100cm | 50~75cm | 50~100cm | 70~100cm | 85~115cm | 60~100cm | 160~250cm (オス・メスで異なる) | 110~150cm | 100~190㎝ | 170~310㎝ | 57~86cm | 60~100cm | 100~170cm | 100~120cm |
重さ | 30~65kg | 8~20kg | 12~16kg | 5~16kg | 9~16kg | 9~18kg | 12~22kg | 16~23kg | 120~240㎏ (オス・メスで異なる) | 60~120kg | 30~70㎏ | 180~245㎏ | 5~8kg | 3~18cm | 30~80kg | 20~50kg |
希少性 | 絶滅危惧II類(VU) (絶滅のリスクが高まっている) | 低懸念(LC) (少し心配されている) | 準絶滅危惧(NT) (絶滅危惧が進行している) | 低懸念(LC) (少し心配されている) | 低懸念(LC) (少し心配されている) | 低懸念(LC) (少し心配されている) | 低懸念(LC) (少し心配されている) | 絶滅危惧II類(VU) (絶滅のリスクが高まっている) | 絶滅危惧II類(VU) (絶滅のリスクが高まっている) | 準絶滅危惧(NT) (絶滅危惧が進行している) | 絶滅危惧II類(VU) (絶滅のリスクが高まっている) | 絶滅危惧IB類(EN) (近い将来、絶滅するかも) | 絶滅危惧II類(VU) (絶滅のリスクが高まっている) | 絶滅危惧II類(VU) (絶滅のリスクが高まっている) | 低懸念(LC) (少し心配されている) | 絶滅危惧II類(VU) (絶滅のリスクが高まっている) |
条約 | ワシントン条約附属書I | ワシントン条約附属書I (アジア外の個体は附属書Ⅱ) | ワシントン条約附属書I | 国際商取引が規制 | ワシントン条約附属書I | ワシントン条約附属書II | ワシントン条約附属書II (スペインオオヤマネコは附属書Ⅰ) | ワシントン条約附属書I | ワシントン条約附属書II (インドライオンはワシントン条約附属書I) | ワシントン条約附属書I | ワシントン条約附属書I | ワシントン条約附属書I | ワシントン条約附属書II | ワシントン条約附属書II | ワシントン条約附属書II (コスタリカピューマは附属書I) | ワシントン条約附属書I |
野生で 食べる物 | トカゲ、ヘビ、鳥、魚 | サル、ナマケモノ、げっ歯類、鳥 | 小型哺乳類、鳥 | 小型哺乳類や爬虫類、トナカイやシカなど | 小型哺乳類や鳥、爬虫類、サルや猪 | シマウマやレイヨウなどの哺乳類 | 哺乳類やげっ歯類、猿、魚など | シカやレイヨウ、爬虫類、サル、魚など | ゾウやサイなど大型哺乳類やワニ、鳥、魚 | 蛙や魚、サリガニ、ネズミ。 | げっ歯類、鳥類、サルなど | シカやイノシシなど哺乳類 | ヒツジやヤギなど | |||
日本国内の 動物園 | ||||||||||||||||
危険性 | 中 | 高 | 中 | 中 | 中 | 高 | 高 | 中 | 高 | 高 | 高 | 高 | 高 | 中 | 中 | 中 |
特筆事項 | 世界最速の哺乳類 そのぶん、筋力は低め 他のネコ科よりは温和な性格 人にも慣れやすい | スペック的には大型哺乳類を襲えるという説あり(実行はしない) 優れたジャンプ力を持つ 古代エジプトなどでは信仰の対象 警戒心が強く時にはライオンとも戦うくらい強い インドなどではカラカルと共に狩猟をしていたと言われている | 野生での報告例が少なく、データーも飼育下のものが多い 動物園でも飼育が難しいと言われている | エジプトのピラミッドにおいてジャングルキャットと思わしきミイラが発見された 古代において人と交流していた可能性がある 広範囲に生息している | 泳ぎが上手、木登りも得意 毛皮やペット目的で乱獲 比較的、人に懐きやすい性格 | 気性は荒い サーバルキャットともいう 穴を掘ってネズミを襲うこともある | 気性は荒い 中世キリスト教では優れた知恵の象徴 貴族の紋章にも使われる 木登り・泳ぎ・ジャンプも得意 | 比較的、慎重な性格 別名「台湾虎」 体の模様が雲みたいなので雲豹と呼ばれる | 百獣の王、権力などの象徴でもある 狩りはメスが集団で行う オスも大型動物を狩る ネコ科の中では珍しく群れを形成する 大型の哺乳類も襲う 人間はあまり襲わない | アステカの神テスカトリポカの象徴 泳ぎも得意。ワニを襲うこともある。強い。あごの力も凄まじく獲物の骨をかみ砕いて仕留める。 | アフリカの狩猟者たちにとって危険とされる五大猟獣(ビックファイブ)の一体 毛皮目的で密猟が続く 生息域や分類が多い 顎の力がヤバイ。獲物を樹の上まで持ち上げられる。 | 単独で大型動物を狩る。 人間によって数多く狩られている一方で、トラも人間に危害を加えている。 動物園のスタッフが負傷するケースも多い。 力や権力、災いなどの象徴として用いられることが多い。 泳げる。 | ネコ科にしては珍しく、川などで漁をする。ネズミなども食べる。 気性は荒い 実は水かきがある スナネコとは別の品種 | アジアゴールデンキャットとは、別の品種。 森林破壊によって生存数が減少している。 | ネコ科の中でも視力が高い方。 パッと見、ライオンのメスに似ている クーガ、アメリカ豹とも呼ぶ 人間を襲うことは少ないとされる。 | 寒冷地に適応している 基本的に控えめな性格 人間を捕食したケースはないと言われているが、何かしらの要因が加わって襲われたケースはある。 密猟などにより生息数が減少した。 |
冒頭で紹介した飼ってはいけない猫ランキングは、あくまでもイエネコに限ったランキング。しかも、飼育が大変なだけで本当に飼ってはいけない訳ではありません。それでは当記事のタイトルにそぐわない。
そこで、ここでは法律面において本当に飼育してはいけない特定動物に含まれるネコたちを紹介します。
本当に飼ってはいけないのは特定動物に認定されている生き物たちです。
人に危害を加えるおそれのある危険な動物とその交雑種(特定動物)は令和2年6月1日から愛玩目的等で飼養することが禁止されました。
引用:環境省自然環境局 総務課 動物愛護管理室
たとえば、トラやライオンなど代表的な大型ネコ科たちはヒョウ属(パンテラ属)に分類され、個人では飼育が困難です。



というより、食べられます
今回は、特定動物のネコ科たちの中から「本当に飼ってはいけない猫ランキング」を作成しました。
1位:トラ


アジア圏において、大型肉食動物の代表格ともいえるトラが、当サイトでの「本当に飼ってはいけない猫ランキング」1位にランクインしました。
トラがランクインした要因として、ネコ科の中でトップクラスに大柄な体格・強靭なパワーが挙げられます。実はトラの戦闘力は、大型肉食動物ヒグマを打ち倒すことがあるほど非常に高いです。
それに加え、人間を襲う人食いトラが出現する凶暴な一面を併せ持つことから危険性もずば抜けて高いです。
それだけ危険なトラを個人がペットとして飼育するのは、非常にリスキー。絶滅危惧種でもあるため、日本で個人が飼育することはほぼ不可能といえます。



トラこわい
2位:ジャガー


本当に飼ってはいけない猫ランキング2位に入り込んだのは、ジャガーです。
ジャガーの脅威は、なんといってもそのパワー。ライオンやトラなど、大型肉食ネコ科たちの多くは力強い顎の力で喉を絞め獲物を狩ります。一方、ジャガーの場合、窒息だけでなく首の骨をかみ砕くまでに至ります。ジャガーの噛む力は、トラの2倍と言われており、ネコ科肉食動物の中で最強の戦闘力を有しているといっても過言ではありません。
サイズこそトラには劣りがちですが、その危険性は引けを取りません。



甘噛みでも、大惨事です
3位:ライオン


3位にランクインしたのは、百獣の王ライオン。
動物園でもお馴染みのネコ科動物ですが、個人が飼育するのは非常に困難な特定動物でもあります。基本的に人間を襲うケースは少ないとされるライオンですが、体格が非常に大きく力強いです。襲われたら、ひとたまりもありません。
今回のランキングでは、人間に危害を加えるケースは少ないものの、力強いことからこの順位となりました。
4位:ヒョウ


本当に飼ってはいけない猫ランキング4位にランクインしたのは、ヒョウです。
アフリカの狩猟者たちにとって危険とされる五大猟獣(ビックファイブ)に数えられており、人間を襲うケースもあります。加えてヒョウの顎は、ネコ科の中でも力強く仕留めた獲物を樹の上に運ぶことすら可能。
5位:サーバルキャット


5位にランクインしたのは、サーバルキャット。
サーバルキャットは非常に凶暴な性格であることが多く、警戒心も強め。幼少期から人間と接していれば、ある程度懐くケースもあるようですが、大型肉食動物としての危険性は変わりません。
イエネコのように楽しく猫じゃらしで遊ぶのは難しいでしょう。
まとめ
猫は可愛らしい生き物であり、多くの人々にとって癒しの存在です。しかし、飼育を考える際には、飼育予定の猫が、どんな特徴やかかりやすい病気を持っているのか、ある程度把握しておくことが大切です。とはいえ、イエネコはどれもステキな存在。本質的に飼育する上での良し悪しはありません。縁があった猫を大事に育ててあげてください。
ただし、中には本当に飼ってはいけないネコ科も存在します。そもそも簡単に迎え入れられませんが、大型のネコ科たちは、法律で飼育が規制されています。



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