【結論】
当サイトが紹介する長生きする猫の特徴としては以下が挙げられます。
- オス猫よりメス猫
- 総合栄養食を食べている
- 猫用の食べ物だけを食べている
- 完全室内飼育
- ストレスフリーな生活を送っている
- 適度に運動している
- 室内に安心できる居場所がある
- 適度な水分補給をしている
- 肥満ではない
- 飼い主がタバコを吸っていない
- 室内でアロマを使っていない
- 定期的な健康診断を受診している
- 歯磨き習慣がある
- 雑種猫
- 飼い主が猫について勉強している
- トイレ環境が整っている
猫はただのペットではなく、私たちの家族の一員。愛猫と過ごす時間はとても貴重で、それが一日でも長く続くことを願う飼い主さんは多いはず。
この記事では、猫歴20年以上の筆者「たけのこ」が、長生きする猫の特徴を紹介します。
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長生きする猫の特徴
猫は大事な家族の一員。飼い主さんとしては、愛猫が長生きして、少しでも一緒に日々を過ごしたいですよね。では、長生きする猫にはどんな特徴があるのか。ここでは、長生きする猫の特徴を紹介します。
①オス猫よりメス猫
猫の長寿に関してよく話題になるのが、オスとメス猫の寿命の違いです。一部では、メス猫の方がオス猫より長生きしやすいという意見があります。
一応、アニコム損保 家庭どうぶつ白書2017にて報告された調査結果ではオス猫の平均寿命は13.7歳、メス猫は14.8歳だったとのこと。その理由に関して、以下のような考察がなされています。
これは一般的な雌雄の役割からきている可能性がある。雄は繁殖のための闘争や狩りの遂行といった役割を持つことが多く、雌よりも外的リスクにさらされることが多い。一方で雌は出産し子供を育てる役割を持つので、子供を産むに耐える体力が必要になる。こうした行動学的パターンの違いから、雌のほうが長生きとなっているのかもしれない。猫の寿命の性差に関する過去の調査では、単なる性差よりも避妊・去勢の影響が強いとの報告がある。野生下に比べて外的ストレスがかからない飼育下では性差に関しての科学的な根拠はまだ明確ではなく、今後の研究調査によって明らかとなっていくと考えられる。
引用:アニコム損保 家庭どうぶつ白書2017
上記だけでは科学的根拠が乏しく、室内飼育が普及した現在ではどの程度差があるのかは定かになっていません。そのため、絶対メス猫の方がオス猫よりも長生きしやすいとは限らず、あくまでもひとつの意見程度に捉えておくのが無難でしょう。
②総合栄養食を食べている
猫が長生きするためには、毎日何を食べているかもとても大切です。特に「総合栄養食」を与えてあげることが、重要。総合栄養食とは、猫が健康で元気に過ごすために必要な栄養素が全部入っているご飯のこと。極端な話、規定量の総合栄養食と水分を補給させることで猫に必要な栄養は確保できます。ある意味、猫にとっての「お弁当箱」のようなものです。
そのため、キャットフードを選ぶときは総合栄養食に分類されているものを選びましょう。また、猫の年齢や健康状態に合った総合栄養食を選ぶことも大切。子猫用、成猫用、シニア猫用など、いろいろな種類があるので、愛猫にぴったりのものを選んであげましょう。
補足として、キャットフードには総合栄養食以外にも一般食という分類があります。基本的には、トッピングを目的としたものですが名称がややこしいので間違えないようにしましょう。
③猫用の食べ物だけを食べている
猫が長生きするためには、「猫用の食べ物だけを食べる」ことも大切です。
猫用の食べ物とは、その名の通りキャットフードや猫用おやつのこと。猫の体に合った原材料・栄養バランスの食べ物のです。一方良くないのが猫用ではない食べ物。人間が食べる物やドッグフードなどでは猫に必要な栄養を確保することが困難です。
特に人間の食べ物は、猫にとっては体に良くないことが多め。体への悪影響が考えられます。物によっては即危険なケースも。そのため、猫に人間の食べ物をあげるのは控えましょう。
④完全室内飼育
- 外に出る猫の平均寿命:14.24歳
- 室内飼育の平均寿命:16.02歳
猫が長生きする秘訣のひとつに、「完全室内飼育」もあります。その名の通り、猫を室内の中だけで飼うことを意味します。
完全室内飼育が推奨されている理由は、外の世界には猫にとって危険がいっぱいだから。外には車やカラスなどの外敵など、猫を傷つけるものがたくさんあります。また、外には猫が病気になる原因となるウイルスや害虫も存在します。
実際、一般社団法人ペットフード協会が実施している令和4年 全国犬猫飼育実態調査では、外に出る猫の平均寿命が14.24歳なのに対して室内飼育の猫は16.02歳でした。およそ2年近くの寿命差が存在していることになります。
⑤ストレスフリーな生活を送っている
猫が長生きするためには、ストレスをためないことがとても大切です。猫がリラックスして、心配事がないような生活を送らせてあげることが長生きの秘訣です。
猫がストレスを感じると、体にいろいろな影響が出ます。食欲がなくなったり、毛並みが悪くなったりすることも。だから、猫が快適に過ごせるような環境を作ることがとても重要なのです。
ストレスフリーな生活を送るためには、まずは猫が安心できる「自分だけの場所」を作ってあげることが大切です。猫用のベッドや箱、隠れられるような場所などを用意しましょう。これは私たちが自分の部屋でリラックスするようなものです。自分だけの場所があれば、猫も安心してリラックスできます。
次に、日常の生活の中で変化を少なくすることも大切です。急な音や、家具の配置を頻繁に変えることは、猫にとってストレスの原因になります。できるだけ、静かで落ち着いた環境を保つようにしましょう。引っ越しなども可能な限り避けてあげるのが無難です。
猫とのコミュニケーションも忘れずに。撫でたり、一緒に遊んだりすることで、猫は愛されていると感じ、リラックスできます。
⑥適度な運動
猫が健康で長生きするためには、適度な運動も必要。運動と聞くと大変そうに思うかもしれませんが、猫の場合は家の中で楽しく遊ぶだけで十分。猫は体を動かすのが好きな動物です。だから、家の中で猫が遊べるようなおもちゃを用意してあげるのが好ましいです。例えば、猫じゃらしやボール、ダンボール箱やトンネルなど、猫が好奇心を持って遊べるものがおすすめです。
上下運動ができるキャットタワーも用意してあげると、猫が喜ぶ遊び場になります。遊びながら運動することでストレスも減りますし、体重の管理にも役立ちます。
遊ぶ時間も1度にたくさん遊ぶのではなく、5~15分程度の短時間の運動を1日に複数回取り入れてあげましょう。ただ、運動量は猫によって違います。年齢や健康状態に合わせて、飼い主さんが運動量を調節してください。若くて元気な猫ならもっと活発に遊ぶことができますが、年を取った猫や体調の悪い猫は運動が負担となることもあります。
⑦室内に安心できる居場所がある
家の中に「安心できる居場所」があることも長生きする猫の特徴です。猫にとっての安心できる居場所は、私たち人間の「お気に入りの部屋」みたいなもの。自分だけの特別な場所があると、猫は安心してリラックスできるんですよ。特に猫は警戒心が強い動物。室内外においても、外敵から身を隠せて気を緩められる場所は必要不可欠です。
静かな部屋の隅にある猫用のベッドや高いところにある棚などが、猫にとっての安心できる場所です。身を隠せるようであれば、さらに好ましいです。また、猫は高いところから周りを見るのが大好き。キャットタワーなどを置いて、猫が上って周りを見渡せるようにするのも好ましいです。ダンボールや小さな隠れ家も、猫にとっては安心の場所になります。
⑧適度な水分補給をしている
水を飲むことは、人間が水分補給するのと同じで、体を健康に保つためにとても大切なこと。水を飲むことで、猫の体の中の不要なものを出すのを助けたり、体温を調節したりします。水を飲むことが足りないと、腎臓の病気になりやすくなることもあるので注意が必要です。特に、ドライフードばかり食べている猫は、水分が足りなくなりがちです。
とはいえ、猫は積極的に水をたくさん飲む動物ではありません。祖先が砂漠で生きていたためか、あまり水を飲もうとしない習性です。そのため、飼い主さんが水を飲む環境を整えることが必要です。例えば、いつでも新鮮な水が飲めるように、水の入ったボウルを数カ所に置いておく、寒い日には人肌程度のぬるま湯を用意してあげるなど。水分を多く含むウェットフードを与えてあげることも効果的です。
⑨肥満ではない
肥満は人間同様、猫の健康に様々な悪影響を及ぼす可能性がある要因。猫にとっても現代病みたいな状態です。特に心臓への負担増加が懸念されるところです。人間も太りすぎると心配されますよね。
では、どうやって猫の肥満を防げば良いのか。まずは、食事管理が重要です。猫が食べる量をちょうど良くするために、食事の量を測ったり、食事の回数を決めることが効果的。また、おやつも与え過ぎは控えましょう。
運動も大切です。猫と一緒に遊んだり、家の中で動きやすい環境を作ることが体重管理の助けとなります。猫が楽しく運動できれば、自然と適正体重に移行しやすくなります。
⑩飼い主がタバコを吸っていない
猫が長生きするためには、飼い主さんがタバコを吸わないことも大切です。タバコの煙に含まれる有害物質は、猫にとっても人間にとっても悪影響を与えます。
呼吸だけでなくタバコの煙が猫の毛に付着すると、猫が毛づくろいをする際にこれらの化学物質を舐めてしまい、体内に取り込むリスクがあります。そのため、猫のいる家庭では、タバコを吸わないことが推奨されます。
⑪室内でアロマを使っていない
猫が健康で長生きするためには、室内でアロマを使わないことも重要です。アロマオイルや芳香剤は、私たち人間には心地よい香りを提供しますが、猫には有害である可能性があります。特に、ティーツリーオイルは猫にとって毒性があるとされ注意が促されています。
アロマと猫の関係性は明確になっていない部分が多く、どの種類がセーフでアウトか判断が難しいのが現状です。ただ、完全肉食動物である猫は植物成分の分解が苦手。そうした事情から大半の植物は猫にとって相性が悪い可能性が高いです。猫のためにも、室内でのアロマの使用を控えることをおすすめします。
⑫定期的な健康診断を受診している
猫が長生きするためには、動物病院での定期的な健康診断を受診することが大切です。健康診断は、猫の健康をチェックし、病気を早期に見つけるのに役立ちます。猫は本能的に自分の体調が悪いことをなかなか表に出そうとしません。だからこそ、飼い主さんが猫の健康を気にかけて、定期的に獣医師に診てもらうことが重要です。特に年を取った老猫や、持病がある猫は、定期的な健康診断がさらに大切になります。
定期的な健康診断は、私たち人間が定期的に病院で検査を受けることと同じです。病気がまだ小さなうちに見つければ、治療も簡単で、猫も病気やケガで苦しまずに済みます。猫のためにも年に1~2回程度、健康診断を受診しましょう。
自宅から動物病院まで距離が離れている場合は、タクシーなどを使うと手早く猫の脱走リスクも低く搬送できます。
筆者の飼い猫も定期健診で異常を早期発見できました!
⑬歯磨き習慣がある
意外かもしれませんが、猫の歯磨き習慣を持つことも大切です。口内の健康は、全体の健康状態に大きく影響します。猫の歯磨きは、私たち人間が毎日歯を磨くのと同じようなもの。歯垢や歯石を取り除き、病気の予防へと繋げます。
猫の歯磨きは始めるのが大変。少しずつ猫に歯磨きを慣れさせることが大切です。最初は歯ブラシに触れさせるだけから始めて、徐々に歯を磨く練習をしていきましょう。補助として、歯磨き以外にも歯磨きおもちゃやフードを与えることもある程度効果的です。
⑭雑種猫
長生きする猫の特徴のひとつとして、「雑種猫」であることが挙げられます。雑種猫とは、特定の品種に属さない猫のこと。雑種猫は、さまざまな種類の猫の良い特徴を受け継いでいることが多いです。端的に言うなら、色々な遺伝子が混ざることで、長生きしやすくなっているとされています。そのため、雑種猫は純血種の猫に比べて、遺伝的な病気のリスクが低いとされています。
実際、アニコム損保 家庭どうぶつ白書2023によると、雑種猫(混血猫)の平均寿命は15.2歳と比較的高めな数値になっています。(雑種猫と同義にされやすい日本猫は、15.5歳。)
ただし、寿命は個体差や飼育環境などによる影響も大きく関わるため一概に雑種猫=長寿とは断言できません。あくまでもそうした傾向があるという程度に捉えておくのが無難でしょう。
⑮飼い主が猫について勉強している
飼い主さんが猫のことをよく勉強しているかどうかも、猫が長生きする上で重要。猫について正しい知識を持つことで、猫のニーズをきちんと理解し、正しいケアができます。食事や運動、健康管理に関する基本的なことも学ぶだけでも、猫の暮らしは格段に良くなりますまた、猫の知識があれば、異常な行動や体調の変化に早く気づきやすくなります。
猫について勉強するのであれば、ネットの情報よりも本で学ぶ方がオススメ。ネットより体系的に猫に関する知識を身に付けることが可能。間違った情報にも振り回されるリスクは少なくなります。
⑯トイレ環境が整っている
トイレ環境も猫が長生きする上で重要です。極端な話、トイレ環境が最悪だと猫はトイレを我慢するようになってしまう恐れがあります。人間もトイレを我慢し続けると体に良くないと言われていますよね。それは猫も同様です。
特に猫はトイレにこだわりを持ちやすい動物ですので、汚いトイレはNG。毎日ちゃんと掃除して猫が満足するトイレを目指す必要があります。猫のトイレをこまめに掃除することで、排泄トラブルに早く気付く確率も高まります。毎回掃除するのは、めんどうかもしれませんが猫のためにも意識してあげましょう。
猫とトイレは置き場所も重要です!
猫の寿命を縮みかねない行動
愛する猫の寿命は、飼い主さんの行動によって大きく左右されます。猫と長く幸せに暮らすためには、猫の寿命を縮めかねない行動を避けることが重要。注意すべき行動は以下の通り。
- 不適切な食事
猫に人間の食べ物を与えたり、栄養バランスが悪い食事を続けることは、猫の健康に悪影響を及ぼします。特に手作りご飯は注意が必要。 - 運動不足
運動不足は、肥満や健康問題の原因になります。また、猫のストレスにも繋がります。 - 定期的な健康診断の欠如
定期的な健康診断を怠ると、猫の病気が見逃され、治療が遅れることがあります。早期発見、早期治療は、猫の寿命を延ばす上で非常に重要です。 - ストレスの多い環境
猫はストレスに非常に敏感です。騒がしい環境や、急激な生活の変化は猫にストレスを与えます。
当たり前と言えばそうですが、意外と行ってしまっている飼い主さんも少なくありません。実際、人間とは違う生き物である猫を飼うのは、それなりに難しいことです。とはいえ、飼い主さんが頑張らなければ苦労するのは猫の方。猫と長く過ごすためにも、飼い主としてできる最善のお世話を心がけましょう。
筆者が特に大切だと思うこと
筆者も猫を飼っている飼い主のひとり。上記で紹介した16のポイントはすべて意識しているつもりです。その中でも特に大切だと思うのが、⑫定期的な健康診断の受診。
年に2回、筆者は飼い猫のトモくんを動物病院に連れていき血液検査と尿検査、獣医師の触診といった健康診断を行っています。人によっては、そこまでする必要はないだろうと思われるかもしれません。しかし、猫は人間より何倍も変化が早い動物。少しの慢心が大きな事態に繋がるケースも少なくありません。
実際、筆者は日頃から猫の生活環境や食生活などに気を遣っていたのにもかかわらず、尿検査で異常値が検出されました。幸いそこまで事態が大きく進行しておらず早期発見で済みましたが、もしも定期健診をサボっていたらこれだけでは済まなかったことでしょう。
世界で最も長生きしたギネス猫
余談ですが、世界で最も長く生きたギネス猫はアメリカで暮らしていたメス猫Creme Puffちゃん。Creme Puffちゃんは、38歳3日もの年月を生きたと記録されています。(1967年8月3日~2005年8月6日)
人間年齢に換算すると、約170歳に相当するそうです。こう言われると、どれだけ長生きだったのかが伝わりますね。
余談ですが、Creme Puffちゃんを飼われていたジェイク・ペリー氏は、もう一匹の猫Granpa Rex Allenちゃんを飼われていたとのこと。この子も34才2ヶ月と、ものすごい長生きしたそうです。どうしてそんなに長生きだったのかは定かになってはいませんが、猫も幸せに暮らせればそれだけ長生きできるという、ひとつの希望となりました。近い将来、猫の平均寿命が30歳になる日もそう遠くないでしょう。
参考:ギネス世界記録「猫の最長寿記録~人間の170歳まで生きた猫」
猫と長く暮らそう!
愛猫との時間はかけがえのないもの。猫が長生きするためには、飼い主さんの理解と親身なお世話がとても重要です。猫について理解し、適切な食事、適度な運動、そして愛情深いお世話を提供することで、猫は幸せな生活を送ることができます。愛猫との素敵な毎日を、心を込めて過ごしましょう。