【結論】
飼っても大丈夫な猫種です。気を付けたい病気などはありますが、お手入れが大変という訳ではなく性格も社交的な個体が多いとされています。
短い足が特徴的なマンチカンは日本でも人気が高い品種。アメリカの映画「オズの魔法使い(1939)」に登場する小柄な種族「マンチキン」に由来していると言われています。
この記事では、マンチカンについて猫歴20年以上の筆者「たけのこ」が解説していきます。
マンチカンは可愛いですが、注意したいポイントもあります
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マンチカンの特徴
英語表記 | Munchkin |
猫の品種 人気ランキング | 4位 (アニコム家庭どうぶつ白書2023より) |
毛色の種類 | ブラック ブルー レッド クリーム ホワイト |
瞳の色 | ゴールド グリーン |
体重 | 個体差はあるが 約2.5~4.5kg前後 |
平均寿命 | 14.0歳 (アニコム家庭どうぶつ白書2023より) |
マンチカンは日本でも人気が高い猫種のひとつ。まるっとした顔つきと可愛らしい足は非常に魅力的です。被毛のパターンが豊富で、毛色の他にも短毛・長毛の個体もいます。
性格
マンチカンの性格は社交的で甘えん坊な個体が多いと言われています。飼い主と良好な関係性を築きやすく、初めて猫を飼う方にもオススメできる品種といえます。
短足ではない個体もいる
マンチカンの最も有名な特徴はその短い足ですが、実際には短足ではない個体も存在します。マンチカンには短足(ラグハガー)の他に、通常の足長個体(スタンダード)や短足よりも少し長い個体(スーパーショート)が存在します。
本来、マンチカンは足長個体の方が誕生しやすく、短足は全体の2~3割程度。そのため、短足マンチカンは高く取引されることが多い一方、足長マンチカンは比較的安いお値段で販売されているそうです。
マンチカンの子猫
マンチカンの子猫は非常に可愛らしく、小さな体と短い足が一層可愛らしいです。
生後数週間から数か月までの期間は、マンチカンの成長にとって重要な時期。社会性を身に付ける時期でもあるため、子猫の頃からしつけやお手入れを習慣化させることが望ましいです。
マンチカンの大人・成猫
成猫マンチカンは可愛い見た目に反して、意外と筋肉質でしっかりとした体つきです。短い足とコンパクトなボディには、まるでぬいぐるみのように愛らしい印象を感じますが、跳んだり駆けたりと意外にアクティブな動きも見せてくれます。
マンチカン立ち
マンチカン立ちとは、マンチカンが後ろ足だけで立ち上がる姿勢のこと。この独特な姿勢は、短い前足と後ろ足のバランスが特徴的であり、その愛らしさから人気が高いです。
骨軟骨異形成症には注意したい
マンチカンで注意したいのが、骨軟骨異形成症という遺伝性疾患。
骨や軟骨に関する問題が発生し、関節炎に発展して痛みを伴います。短足マンチカンには、この骨軟骨異形成症が起きやすいと言われています。
症状として猫が歩きにくそうにしているなどが現れるため、マンチカンを飼育するときは歩行状態にも日頃から気を遣う必要があります。
同じく骨軟骨異形成症を患いやすい品種として、スコティッシュフォールドが挙げられます。
下記の記事で詳しく解説しているので、気になる方は参考にしてみてください
マンチカンに関するよくある噂
可愛い見た目で国内でも人気が高いマンチカンですが、飼育に関するさまざまな噂や誤解がネット上には存在します。マンチカンに関するよくある噂について解説します。
マンチカンは飼ってはいけない?飼うのは大変?
ネット上では「マンチカンは飼ってはいけない」という意見も時折見受けられますが、これはあくまで個人の意見・経験によるもの。マンチカンを飼ってはいけない訳ではなく、特別難しいということでもありません。
ただし、短足個体は骨軟骨異形成症などに注意する必要があることは事実。そのため、信頼できる動物病院を探しておくことが重要となります。
マンチカンはかわいそうな品種?
一部の人々からは、短足であるマンチカンは、かわいそうだという意見があります。これは主観的な評価による部分が大きく、一概にマンチカンそのものがかわいそうな猫種とは言えません。
ただし、完全に否定することもできません。そもそもマンチカンとは突然変異で発生した短足猫を交配させ品種化し誕生しました。当初から、短足マンチカンは可愛いらしさで人気が高かったですが同時に道徳・倫理観から懸念する声も多かったとされています。
短足動物に見受けられる脊椎の脆弱性は、いまのところマンチカンからは報告されていないと言われています。ただ、短足ゆえ骨軟骨異形成症を患いやすい傾向にあります。また、短足マンチカン同士を交配させると死産に至るケースも多いとされています。
そうした問題から、マンチカンを正式な品種として認定している機関は少なめ。アメリカの猫種登録機関TICAでは認められていますが、認可していない機関も多いです。
マンチカンを飼うと後悔する?
マンチカンを飼うことで、必ず後悔するかと問われれば答えはNOです。個体差こそありますが、マンチカンは比較的友好的な性格が多く、被毛のお手入れも楽な部類です。
猫を飼うことで後悔するかどうかは、飼い主となる人の個人的な価値観・経験・経済力・予備知識などによって異なります。マンチカンの特徴や必要なケアについて、事前に情報収集し、適切な飼育を行い続ける責任が持てる方は、そうそう後悔しないでしょう。
一方で、ただ可愛いからと安易に飼育を決め、責任感も欠落していると後々後悔する可能性が非常に高いです。これはマンチカンに限らず猫種全般に言えること。命を背負う責任を持てないのであれば、猫の飼育は諦めた方が無難です。
足の短い猫一覧
足の短い猫はマンチカンだけではありません。以下に、代表的な足短猫を紹介します。
- ミヌエット
:ペルシャ由来のモフモフ毛並みとマンチカン譲りの短足が特徴 - キンカロー
:後ろに沿っているカール状の耳が特徴的 - ラムキン
:巻き毛が特徴的 - ミンスキン
:ヘアレスの短足猫 - スクーカム
:誕生してから比較的歴史が浅い猫種 - ジェネッタ
:アメリカ生まれの胴長・短足猫 - バンビーノ
:スフィンクスとマンチカンの間に誕生したヘアレス猫
足の短い猫種はその可愛らしい外見から注目を浴びやすいですが、同時に関節の疾患が懸念視されています。猫を飼う際には、猫種の特性や飼育に必要なケアを理解しましょう。
マンチカンに大切なお手入れ
マンチカンは手入れの必要な部分があります。以下に、マンチカンのお手入れについてのポイントをご紹介します。
- 毛のブラッシング
マンチカンの被毛は多様で、長毛の個体もいます。とはいえ、被毛のケア自体はそこまで大変ではなく、比較的楽な部類です。週に2~3回、定期的にブラッシングしてあげましょう。 - 歯のケア
マンチカンも歯のケアが大切。できれば毎日歯磨きをしてあげましょう。 - 爪のケア
猫には定期的な爪切りが必要です。一度に全部の爪を切る必要はありません。1日1本のペースでいいので少しずつお手入れしてあげましょう。 - 定期的な運動
:マンチカンは可愛い見た目にもかかわらず意外とアクティブ。飼い主さんと遊ぶことも好きです。毎日5~15分程度の運動を複数回取り入れてあげましょう。 - 歩行状態の観察
マンチカンは特性上、歩行に支障がでる恐れが高い品種です。歩き方が変。座り方がいつもと違うと感じたら早めに動物病院に相談しておきましょう。
マンチカンの食事
基本的に特別持病を持たない猫には、総合栄養食を与えられることをオススメします。
総合栄養食とは、それと新鮮な水を与えることで猫に必要な栄養素をカバーできるフードの種類。基本的に、この総合栄養食を選んでおけば、猫の栄養について深く悩む必要はありません。
- ロイヤルカナン
- ヒルズ
- ピュリナ
上記のような有名メーカーは世界中でペットフードを販売している実績があり、フード開発にも科学的根拠を取り入れているため信頼度が高いです。
市販フードより原材料にこだわったプレミアムキャットフードの方がいいのでは?と思われる方もいますが、そのあたりは飼い主さんの気持ちや考え方次第です。
マンチカンのしつけ
前提としてイエネコに犬のようなしつけを施すことは困難です。イエネコは群れではなく単独で行動することを好んできた動物。犬のようにコラと叱ったりすることで、問題行動を制限できるかは怪しいところです。仮にできたとしても、相応の時間と労力が求められます。
そのため、マンチカンのしつけにおいては猫が問題行動を起こせないよう環境や飼い主さんの行動に工夫を加えることの方が効果的です。
- 台所関係
:物理的に侵入できないようにする。 - 壁や柱に爪とぎ
:爪とぎ板、保護シートを貼る。 - 甘噛み
:短めに叱る。しつこかったら逃げる。
各種猫のイタズラ対策については、下記の記事を参考にしてください。
マンチカンは飼っても大丈夫な猫種
マンチカンは可愛い外見と魅力的な性格を持つ猫種です。短足が有名ですが、通常の猫と同じ足の長さの個体も存在します。社交的で好奇心旺盛な性格を持ち、飼い主とも絆を深めやすいでしょう。
気を付けてあげたい病気もありますが適切に飼育することで、猫初心者でも楽しく育てることは十分可能です。
今回の記事を参考に、マンチカンと素敵な生活を過ごしてみてください。