【結論】
食べてはいけないキャットフードとは、2018年に週刊誌掲載された愛猫・愛犬が食べてはいけないペットフードの特集記事のことです。メーカーと商品の実名リストが掲載され当時話題となりましたが、やや大げさだった内容も多かったようです。
大事な愛猫のご飯は美味しくて安全な物を選びたいと願うのは飼い主として当然の想い。そんな飼い主さん達にとって、食べてはいけないキャットフードは知っておきたい重要情報ですよね。
過去に週刊誌の特集にて、食べてはいけないとされるキャットフードが実名公開発表されたことがあります。
当時は大きな話題となりましたが、キャットフード研究が進歩した2023年現在では大部分が問題ないフードだったと判断されます。
今回はペットフード/マナー検定にも合格している筆者「たけのこ」が、食べてはいけないキャットフード実名リストと本当に良い猫の食事について解説していきます。
本当に危険なキャットフードだったのか?詳しく解説していきます
おすすめキャットフード!
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食べてはいけないキャットフード実名リストとは
メーカー名 | リスト入りの理由 | 目立った事件(キャットフード) |
---|---|---|
日清ペットフード | 穀類が主成分 合成着色料 | ペットラインに事業譲渡(2020年4月1日) |
日本ヒルズ・コルゲート | 穀類が主成分 | 特になし |
日本ペットフード | 穀類が主成分 | 「ミオ子猫のミルク250g」が一部溶けにくいためリコール(2020年11月) |
ネスレ日本 | 穀類が主成分 ミール副産物含有 合成着色料 | 「フリスキードライ1 歳まで子ねこ用」にてゼアラレノンが基準値以上に含まれている恐れがあるとして自主回収(2019年12月) |
ペットライン | 穀類が主成分 合成着色料 | 「JPスタイル<和の究み>セレクトヘルスケア腎臓ガードチキン味」「メディファス1歳からフィッシュ味」にて工場内のベルトコンベア破片混入の恐れがあり自主回収(2021年7月) |
マースジャパン | 穀類が主成分 ミール副産物含有 BHA・BHT 合成着色料 | 「カルカンパウチ8歳からしらす入りまぐろ 70g」にてビニール混入のためリコール(2017年3月) |
ドギーマンハヤシ | 相乗毒性の可能性 合成着色料 | 「ねこちゃんの国産低脂肪牛乳」にて想定以上の蛋白質凝固からリコール(2014年9月) 「猫の毛玉ケアスナック ペットフード」にて異臭が確認されたため回収(2008年6月) 下請法違反事件(2010年11月) |
ユニ・チャーム | 穀類が主成分 合成着色料 | 「銀のさらきょうのごほうび やわらかささみミックス野菜・チーズ入り200g」にて金属混入の恐れがあるとしてリコール(2010年9月) |
ロイヤルカナン・ジャパン | 穀類が主成分 BHA | 特になし |
食べてはいけないキャットフード実名リストとは、2018年8月30日発行の週刊新潮に掲載された愛猫・愛犬が食べてはいけないペットフードの特集記事に掲載されたメーカーと商品の実名リストです。
獣医師、ペット書籍著者、ペットフード販売会社代表などが知られざるペットフード業界の闇を語る内容となり、当時から大手だったペットフードメーカーの名前があることから多くの飼い主さんに衝撃を与えました。
食べてはいけないペットフードにロイヤルカナンが?
キャットフードメーカーの超大手で多くの獣医師も推奨することが多い、ロイヤルカナンの商品もリストに名前が連なっています。ロイヤルカナンの他にもヒルズやネスレなど世界の名だたるキャットフードブランドの名前が確認できます。
食べてはいけないペットフードにロイヤルカナンが名前入りしてしまった理由は、後述する穀物を主成分としている製品がある点と酸化防止剤BHAを使用している点に該当していたためです。
いずれの要素も、たしかに過剰であれば猫への悪影響が懸念されますが、2023年現在では適量であれば問題ないとされています。また、ロイヤルカナンやヒルズの療法食に優れた有効性があったと報告している調査があることからも、信用できるといえます。
筆者も、ロイヤルカナンを与えていましたが問題なく暮らしていました
キャットフードはグレインフリーの方がいい?
キャットフードにおいて、グレインフリーか否かは論点になることが多いです。小麦粉など穀物に対してアレルギーを有している猫は、たしかに存在します。そういった猫たちには穀物不使用であるグレインフリーフードが大きな助けになることも事実でしょう。
その一方で、猫は穀物アレルギーを起こしやすいかというと、必ずそうとは限りません。穀物以外にも牛肉や鶏肉、豚肉、魚などでアレルギーを起こす子がいるため、穀物だけを注意していればいいとは限りません。
また、グレインフリーが猫にとって本当に有益かどうかは実はあまりエビデンスがないのが現状。一時期は消化の負担が軽いと言われてはいましたが、後述する研究の結果によって猫が穀物を問題なく処理できると判明してからは説得力が不足しています。
猫に穀物を与えてはいけない?
- 完全肉食動物である猫は本来、穀物の消化が得意ではない
- 穀物は安価だからペットフードに使われやすい
特集記事では主に上記の内容について触れていました。穀物に関して一部は間違いではなく、昔の日本で主流だったご飯に味噌汁をかけた「猫まんま」は、猫に必要なたんぱく質を十分補えないものでした。
一方で、猫と穀物についてもう少し深掘りすると違う一面も現れます。まず、猫が穀物を上手に消化できないのは、あくまでも生の穀物の場合。最近の研究で、猫は適切に加熱された穀物デンプンであれば、猫も問題なく消化できることが判明しています。(※1論文)MeyerH,Kienzl E.Dietaryprotein and carbohydrates:Relationship to clinical disease.In:Proceedings.Purina International Nutrition Symposium,Orlando,FL,1991:13-26.
穀物はコスパがいい原材料であると同時にキャットフードに配合することで下記のメリットも得られます。
- 炭水化物以外にたんぱく、ミネラル、ビタミンなどの栄養素を含む
- たんぱく質・脂質の割合が高まることを防ぐ
- つなぎの役割を果たし、ドライフードの粒成形を補助する
- ウェットフードに程よいとろみをつける
そのため、穀物配合でも過剰に心配する必要はありません。
ただし、特集記事ある通り、あまりにも炭水化物割合が過剰な場合は猫への悪影響が懸念されます。原材料で一番最初に穀物の名前があるフードは、炭水化物の割合(%)をチェックした方がいいです。
キャットフードのミールや副産物とは?
- 副産物
:肉と定義されたもの以外で人間の食用として適さない一部の部位(頭部や骨、内臓、皮膚など) - ミール
:副産物を粉状に加工したもの
ペットフードに関する情報を調べていると、ミールや副産物という名前を目にする機会も多いはず。ざっくり言うと人間があまり食べることがない部位が副産物で、それを乾燥させて粉にしたのがミールです。
よく見かけるチキンミールとは、鶏肉以外の頭や脚部、骨、皮を乾燥させ粉末にしたものとなります。「人間が食べない」というイメージから勘違いされやすいですが、これらは決して不衛生・低品質ではなく、適切な加工処理が施され、猫に必須なたんぱく質も豊富な原材料です。
キャットフードに合成着色料は必要?
合成着色料とは、赤色3号、青色1号など化学的に製造された着色料のことです。
キャットフードに使用される着色料はペットフード安全法により、猫に害を与えることがないよう制限されています。とはいえ、着色料が猫に対して与える影響は未知数という声もあり、相乗毒性に関しても不明点が多いのは事実。
人間と色の見え方が異なる猫に対して、着色料を使用するメリットもないため、基本的には避けた方が安心といえます。
キャットフードの酸化防止剤BHA・BHTは危険?
酸化防止剤名 | 天然 / 合成 |
---|---|
ローズマリー抽出物 | 天然 |
ミックストコフェロール (ビタミンE) | 天然 |
クエン酸 | 天然 |
アスコルビン酸ナトリウム (ビタミンC) | 天然 |
ハーブエキス | 天然 |
没食子酸プロピル | 合成 |
BHA | 合成 (使用制限あり:150μg/g以下) |
BTA | 合成 (使用制限あり:150μg/g以下) |
キャットフードの酸化による劣化を遅延させるための添加物。フードの品質を守るためにも重要な添加物となります。
キャットフードの添加物において、酸化防止剤は意見が分かれることが多いです。
酸化防止剤には、いくつか種類がありますが、中でもBHA・BHTとよばれるものが有害性があると警鐘する声が多いです。ただし、この情報には不足している点がいくつかあります。
ひとつはBHA・BHTの有害性が確認されたのは、ラットを用いた動物試験で膨大な量を摂取した条件下です。適切な量であれば、添加物として使用していい旨が厚生労働省が公表する資料からも読み取れます。
二つ目は、国内で流通しているキャットフードはペットフード安全法(愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律)にて、厳格に規制されています。極端な話、危険性が高いと法律で判断されるキャットフードはそもそも市場に流通させることができません。つまり、市販で売られているキャットフードは安全性が法律によって認められているということです。
参考:ペットフード安全法(愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律)
製造工場に関しても、独立行政法人「農林水産消費安全技術センター(FAMIC)」によって、定期的な立ち入り検査・帳簿確認も行われているため過剰に心配する必要はないといえます。
とはいえ、心配な物は心配!よく分からない!与えないに越したことがない!という声もあるはず。そんな方には、天然由来の酸化防止剤を使用したフードを選ぶか、酸化防止剤無添加のフードをオススメします。
結論:過度に気にする必要はない
食べてはいけないペットフードとして多くの有名メーカーが実名公開されましたが、その大部分が商品研究と改良を重ね続け2024年以降も事業を継続しています。
特集記事の内容が誤っているとは限りませんが、研究や調査結果でも記事の主張とは異なる見解が確認できます。リスト入りしたメーカーが数年にわたり大事件を引き起こした記録もないため、過剰に心配する必要はないと考えられます。
本当にやばかったら何年も日本で販売できません
買わない方がいいキャットフードとは
実際のところ、買わない方がいいキャットフードはあるのか?
その答えは「YES」です。以下の条件に該当する一部キャットフードには、気を付けなければなりません。
- 販売実績がない
- 知名度が低い
- メーカーがフード研究に力を入れていない
- 科学的研究結果に基づいて開発していない
- 販売ページで勘違いされやすい表現を行っている
上記に該当するキャットフードには、販売側の信頼性が欠如しています。本当に猫のことを考えて商品開発をしているのであれば、根拠に基づいたフード開発に力を入れ、試行錯誤を繰り返すはず。
どこの会社が何を根拠に販売しているかを重視しましょう!
本当に良いキャットフードとは
- 販売実績が多い
- 知名度が高い
- メーカーがフード研究に力を入れている
- 科学的研究結果に基づいたフード開発
- 販売価格がほど良く高い
本当に良いキャットフードとは、上記の逆です。加えて販売価格が、安すぎないのも見極めるポイントです。なぜ価格がポイントになるかというと、本当に良質なフード開発を行うのであれば、それ相応のコストが発生するからです。
プレミアムキャットフード
プレミアムキャットフードは、原材料の質や製造法などを重要視した猫ご飯です。筆者の個人的な意見として、プレミアムキャットフード=絶対に高品質とは限らないと考えます。市販フードの中には栄養面において、プレミアムキャットフードよりも信頼性が高いものがたくさんあります。
その一方でプレミアムキャットフードは、原材料の品質や添加物を最小限しか使っていないなどのメリットもあります。猫の食いつきに関してもこだわりを持っているため、グルメな猫でも喜んで食べることが多いです。
ペトコトキャットフード
品質が高いキャットフードのひとつとして、ペトコトキャットフードが挙げられます。国産の自然食材を贅沢に使用した総合栄養食。開発にあたり世界的な権威である米国獣医栄養学専門医と共同でレシピ開発することで理想的な栄養バランスを実現しています。
また、212匹の猫&飼い主たちによるモニター結果を反映しているため、猫の満足度も高いキャットフードとなっています。
キャットフードランキングは信頼できるの?
ネット上ではキャットフードランキングとタイトル付けされた記事が数多く存在します。それらの情報は本当に信頼できるのか?猫ブロガーでもある筆者「たけのこ」が解説します。
色々ぶっちゃけます
ネットのキャットフードランキングは嘘かも
ときどき、ネット上でキャットフードランキングを目にする機会があるかと思いますが、残念ながら信用性はそこまで高くありません。
ひとつ目の理由は、ランキング順位に収益性が反映されている可能性が高いからです。多くのランキングサイトは営利目的で商品を検証・順位付けしているため、紹介料が高い物が上位にランクインしやすい傾向にあります。
二つ目の理由としては、猫によってフードの相性が異なるためです。人間同様、猫にもご飯の好みが存在し、香りや味、大きさや形状によって合う合わないが変化します。ライフステージによっても猫に適した栄養素が異なるため、ランキング上位のフードが必ずしも愛猫に適しているとは限りません。
あくまでも参考程度に捉えておくのがベストです
キャットフード安全ランキングには市販品が少ない?
キャットフードの安全性に注目したランキング記事も存在しますが、上記と同様の理由から信用性はイマイチです。安全ランキングでは、主に下記の項目に着目して順位付けされることが多いです。
- 原材料
- 産地記載など
- 添加物
- タンパク質
- 量粗脂肪量
市販品のキャットフードは下位もしくはランキング入りしていないことが多いですが、決して安全性が劣っているわけではありません。ランキングサイトでの紹介料が安く収益性が低いため上位にランクインしにくいだけであり、市販品も十分な安全性に配慮されているものが多数存在します。
- ロイヤルカナン
- ヒルズ
- ピュリナ
- 日本ペットフード
- ペットライン
- アイシア
猫の飼い方を本で学ぼう
ネットの情報に踊らされないためにも、飼い主さんが知識を身に付けることが猫を守るうえで必須となります。それでは、どこで猫に関する正しい情報を身につけるべきか?
その答えはズバリ「本」です。
書籍は、権威ある人間がエビデンスに基づいて執筆し編集・校閲を通過して世の中に出版されます。ネットとは異なり、誰が書いたかもよく分からない虚偽交じりの情報が混ざりにくいため、おすすめの情報源です。
ただし、猫の飼い方を正しく学べる本は世の中に多くあるため、自分に合った一冊を見つけるのは困難かもしれません。下記の記事で筆者「たけのこ」が熟読した上で、オススメできると感じた本を紹介しています。
気になる方はあわせてお読みください
本当に良いキャットフードを見極めよう!
本当に実力があり信頼できるペットフードメーカーは、危険であると実名公開されても日々研究と試行錯誤を重ね、より高品質なフードを次々開発していきます。
食べてはいけないペットフード実名リストに掲載されたメーカーの多くも、2023年時点でも運営されています。飼い主さん自身が知識を身につけ、信頼できるフードメーカーを見極められるようになることが大切です。