【結論】
物理的に鍵をかけましょう。手軽で利便性も優れたドアストッパーや突っ張り棒などでベッドを囲う方法も挙げられます。
寝室に猫が入ってくる。
このテーマに関して、それほど問題を感じられない飼い主さんも多いはずです。むしろ猫と一緒に眠ると、「もふもふで気持ちよく熟睡できる」「猫と幸せを共有できる」と感じられる方もいらっしゃいます。
たしかに、猫と一緒に眠ると暖かく幸せな気持ちになりますが、その一方で寝室に抜け毛・粗相が増え、猫アレルギーの発症リスクが高まる可能性が懸念されます。
猫アレルギーを予防し、猫と生活環境を住み分けるためにも物理的に入れないようにする寝室対策は必須となります。
今回は猫好き歴20年以上の「たけのこ」が、猫の寝室対策について実例付きで解説していきます。
この機会に猫との生活環境を見直しましょう
猫ブロガー
たけのこ(Takenoko)
プロフィール
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猫と暮らして20年以上。猫ニュースメディアのライターとして活動。いままで500本以上の猫に関する記事を執筆!猫たちの幸せに繋がればという想いで当サイトを運営しています。ペットフード/ペットマナー検定合格。飼い猫を主役とした絵本も出版。
猫YouTuber・ライバー
黒猫トモくん(Tomo)
プロフィール詳細
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運営者の飼い猫であり当サイトの編集長。保護猫出身。黒猫。甘えん坊な男の子。猫専門配信アプリnekochan公式ライバー。YouTubeも配信中!
猫を寝室に入れる5つの問題
猫と同じ空間で過ごすのは癒されます。寝室を共有することも一見何の問題もなさそうに思えますが、実はあまり知られていない問題点がいくつかあります。
①猫アレルギー発症リスクが高まる
家族に猫アレルギーをお持ちの方がいらっしゃる場合、猫を寝室に入れない重要性は高くなります。仮に現在、猫アレルギーを有していなくとも、後天的にも発症する可能性も捨てきれません。
突然ですが猫アレルギーの原因は何だと思いますか?
答えは「Feld1」という物質です。
Feld1は猫の唾液や排泄物、皮脂などに含まれ、毛繕いの際に体毛にも移行します。抜け毛などに付着したFeld1が何らかの経路で人体に蓄積されていくと、突然猫アレルギーを引き起こす可能性もあります。
猫アレルギーになったら飼うの苦労します
②猫の分離不安
猫を寝室に迎え入れ続けると「分離不安」も懸念されるようになります。
猫が飼い主さんに精神的に依存し、近くにいないと不安で問題行動を起こしたり、ストレスを抱えてしまうようになる状態です。
大きい声で鳴いたり、暴れて物を壊したり、自分を傷つけたりなどの問題行動が増える傾向にあり、うかつに猫をひとりにできなくなってしまいます。
③ 室内飼いでも衛生的ではない
残念ながら室内飼育であっても、猫が衛生的であるとは限りません。
室内でも玄関やベランダ、トイレなどで猫が汚れてしまいます。特に毛が長い品種の場合、トイレの猫砂が身体に付着して寝室やベッドに落ちることもあります。
長く飼い主をしていると慣れてきますけどね…
危険性が高く注意したいのがノミ・ダニです。
ノミ・ダニは、飼い主さんや来客の衣服・靴などに付着し室内に入り込み、完全に侵入を防ぐことは困難です。室内に侵入したダニやノミは猫に付着し、悪影響を及ぼすことが考えられます。
④ 猫が睡眠を妨害してくる
猫が寝室に入ってくる大きな問題が「睡眠妨害」です。
猫は夜行性とは限らず、飼い主さんの生活パターンに合わせて夜間は大人しく眠る猫もいます。一方で、体力が有り余っている子猫、発情期などの場合はその限りではありません。
そんな子たちは寝室に入ろうものなら、夜間であっても走る、鳴く、甘えてくるのオンパレードです。
中にはご飯欲しさに起こしにくる猫も…
⑤ 寝室で粗相(トイレ)されることもある
猫が寝室で粗相(トイレ)をしてしまったら、ショックが大きいですよね。
夜間にされてしまうと、洗濯が間に合わず困ってしまいます。トイレを覚えていない子猫や年老いてトイレまで歩けなくなった老猫は、ベッドで粗相してしまうことが多々あります。
粗相を繰り返すと猫の臭いが染みつき、そこがトイレだと覚えてしまいます。
筆者も、昔はよく飼い猫にベッドで粗相されました
猫を寝室に入れない5つの作戦
猫は頭がいい動物です。
ただ単に扉を閉めただけでは、あの手この手で開けられてしまいます。そこで猫の寝室侵入を防ぐための5つの作戦をケース別に解説していきます。
猫の侵入を防げない!という方は、ぜひ参考にしてみてください
①ドアノブの場合はノブロックが有効
猫は取っ手付きのドアノブ程度なら簡単に開けてしまいます。
世界には、丸いドアノブすら開ける猫もいるそうです。ドアに鍵をかければ問題ありませんが、「鍵付きでない」「不便」などの場合には別の対策が必要となります。
そこでオススメなのが「ノブロック」というドアストッパーです。
この「ノブロック」の強みは、取り付け&取り外しが楽な点にあります。ドアノブに引っかけるだけなので、3秒で対策完了です
② 引き戸の場合はスライドロックで侵入防止
猫は手先と鼻先を器用に使い引き戸も開けてきます。
筆者の先代猫モモは、よく引き戸を開けてきました
100均などの突っ張り棒を扉に仕掛けるだけでも対策として有効ですが、毎回設置するのはめんどうなのとパワフルな猫の場合、強行突破されることがあります。
そんなときにオススメなのが「スライドロック」です。使い方は引き戸に差し込むだけなので、突っ張り棒よりも簡易的かつ、しっかりと扉をロックできます。
③ワンルームの場合は仕切りを設置
ワンルームなど生活空間に仕切りがない場合、障害物がないため猫も気軽にベッドの上に乗ってきます。そこで筆者が行っていた対策が、突っ張り式カーテンポールで仕切りを作る方法です。
設置のポイントは以下の3つです。
- できるだけ頑丈に固定する
- 床から猫の目線部分は特にしっかり固定する
- スキマを作らないことを意識する
筆者は、使っていない布団やカーペットで囲っただけの簡易的な仕切りにしましたが、応用次第でより効果的なアレンジが可能です。手間こそかかりますが、これならワンルームでも、猫がベッドに入ってくることをある程度防げます。囲うものは「布・カーテン」以外に「網」や「すだれ」などでもOKです。
④ドアを開けておきたい場合はねこ脱走防止フェンスを活用
- 暑いから扉を開けて寝たい
- 換気していたい
だけど、猫には寝室の外で眠ってもらいたい。そう考えられている方には「ねこ脱走防止フェンス」をオススメします。
名前の通り脱走防止を目的とした商品ですが、室内など入れたくない場所の仕切りとしても活用できます。100均の商品の組み合わせで上手に対策されている方もいらっしゃいますが、個人的には耐久性・利便性が優れた既製品をオススメします。
⑤猫の動きが気になる場合はペットケージもひとつの選択肢
猫の中には、寝室から締め出されると就寝時に暴れまわる子もいます。
- キッチンを荒らす音が聞こえる…
- 家中走り回ってうるさい!
どれも気になって眠れないですよね。
眠っているときに猫がケガを負う、事故を起こすなどの不安も頭によぎるため、なかなか寝付けない方も多いはずです。
理想としては危険物が少ないリビングなどで静かに眠ってもらいたいところですが、遊び盛りで体力旺盛な子猫などはそうもいきません。
どうしても難しい場合は「ケージ」に入れることも一つの選択肢です。
ケージなんてかわいそう…
…と思われる方の気持ちもよく分かりますが、実は最近のペット用ケージはかなり高品質です。
- 数千円からしっかりした商品を購入できる
- 1万円代の物は、もはやジャングルジム
- 猫の隠れ家や遊び場としても期待できる
猫の性格によって相性も異なりますが、場合によっては飼い主さんとベッドの取り合いをするより快適かもしれません。
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やっておくべき猫の抜け毛対策
猫アレルギーの主な原因は猫の唾液が付着した抜け毛です。
猫の唾液が付着した抜け毛が寝室に散乱している状況は好ましくないため抜け毛対策も施す必要があります。代表的な抜け毛対策として以下が挙げられます。
- 粘着テープのコロコロでこまめに抜け毛取り
- こまめにブラシで毛繕いしてあげる
- ルンバ導入
- 空気清浄機の設置
ご家庭ではじめやすいものから試してみてください
猫を寝室以外で過ごさせる際の注意点
猫を寝室の外もしくはケージの中で過ごさせる際、居心地の良い場所を作ってあげることが大切です。そのとき、以下のポイントには注意してあげてください。
- 寝床や飲み水、トイレなど生活に必要なものが揃っているか?
- その環境が寒すぎたり暑すぎたりしないか?
- 寝床にエアコンの風が直接当たらないか?
- アロマや芳香剤を近くに置いていないか?
- 綺麗で清潔な環境状態か?
寝室以外にも猫が快適に過ごせる居場所を作ってあげましょう
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ぶっちゃけた話、筆者は寝室への侵入対策を気にしなくなった
筆者も猫を飼い始めた頃は、生活空間を区分けしようと思い今回紹介した対策を実施していました。寝室やベッドに抜け毛が落ちて部屋が汚れアレルギーなどのリスクが高まるのを防ぐためです。
ただ、結果的に室内への侵入対策はまったく行わなくなりました。理由は、猫との暮らしに慣れたから。服やベッドに抜け毛が付いていようが気にならなくなりました。というよりもイチイチ気にしていたらキリがありません。
また、どんなに抜け毛対策をしようと特定の部屋への抜け毛混入を防ぎ切るのは非常に困難。なんだかんだで抜け毛などはあちこちに入り込みます。そのため、寝室対策を諦めて猫と一緒に眠ることに慣れた方が筆者的には楽でした。
もちろん、猫アレルギーの方、清潔好きな方は寝室への侵入対策は継続して行った方がいいでしょう。一方で、そこまで明確な理由がなければ、遅かれ早かれ慣れて気にしなくなることも多いため対策を施さなくてもいいかもしれません。
猫と仲良く寝ることについてはこちらで紹介
猫の寝室対策はほどほどに!
猫と空間を共有し過ぎることは猫アレルギーた分離不安のリスクを高めるため、飼い主さんと猫、どちらにとっても好ましくありません。
過剰に神経質になる必要はありませんが、できる限り居住環境は人と猫とで分けることを検討してみてください。
愛猫とは適切な距離感で過ごしましょう