【結論】
飼い主さんのことを信頼しているから。安心して眠れるし温かいから胸の上で眠ります。
甘えん坊の猫と暮らしていると、猫が胸の上に乗ってきて寝始めた…という経験をされる飼い主さんは多いです。実は猫が胸の上に乗って眠る行為には、飼い主さんに対する深い信頼と愛情が込められています。
今回は猫と20年以上暮らす中で、寝ているときに顔を踏まれたり、寝起き肛門かまされたり、みぞおちフミフミの被害に遭ってきた筆者「たけのこ」が、猫が胸の上で眠る理由と気持ちについて解説します。
それでも、やっぱり猫は可愛い
猫ブロガー
たけのこ(Takenoko)
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猫と暮らして20年以上。猫ニュースメディアのライターとして活動。いままで500本以上の猫に関する記事を執筆!猫たちの幸せに繋がればという想いで当サイトを運営しています。ペットフード/ペットマナー検定合格。飼い猫を主役とした絵本も出版。
猫YouTuber・ライバー
黒猫トモくん(Tomo)
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運営者の飼い猫であり当サイトの編集長。保護猫出身。黒猫。甘えん坊な男の子。猫専門配信アプリnekochan公式ライバー。YouTubeも配信中!
猫が胸の上で寝る理由
ひとりでのんびり過ごすのが好きそうな猫たちが、どうして飼い主の胸の上で眠ることがあるのか?その理由と心理について解説します。
温かい
猫が胸の上に乗る理由のひとつが、温かい場所だからです。猫は自分にとって最適な環境を見つける天才。特に冬場は寒いところを避け、できるだけ暖かい場所を探します。
飼い主さんの胸の上は人肌でほんのり温かい場所。猫は暖をとるために飼い主さんに乗っかっているのかもしれません。
人間側もモフモフしていて温かいです
信頼のサイン
元々、猫は警戒心が強い生き物。そう簡単に人間のそばでくつろぐことはしません。ましてや眠って無防備な姿だと尚更です。
そんな猫が飼い主さんの胸の上で過ごすのは、一緒に眠っても危険がないと信じているから。猫から信頼されているサインです。
そう考えると何だか嬉しいですよね
飼い主を独り占めしたい
独占欲が強い猫なら、飼い主の胸の上を自分のなわばりと認識しているかもしれません。限られたスペースを占領することで、飼い主は自分の物と安心感を得ている可能性もあります。
甘えている
大好きな飼い主さんに甘えたい気持ちから、胸の上で眠る猫もいます。温かく安心できる飼い主さんは母猫を彷彿させるのかもしれません。
中には子猫気分に戻って、胸の上でふみふみする子もいます。
地味に爪が刺さって痛いのですけどね
具合が悪い
猫の中には具合が悪くなったときに、飼い主のそばで過ごす時間が長くなる子もいます。体調が万全ではないため、安全地帯である飼い主さんに守られながら身を守ろうとしているのです。
胸の上に乗ってきた猫が、どこか元気がなさそうであれば体調不良を抱えている恐れがあります。トイレの状況や食欲の有無など異変がないかチェックしましょう。
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猫が胸の上に乗るのは見下しているわけではない!
猫が胸の上に乗る理由の大半は、飼い主のことを信頼していて好きだから。人間を見下しているとは限りません。
そもそも猫には人間と猫の区別がないという説があります。どうやら猫は飼い主のことを大型の猫と認識しており、人間に対しても猫と同じコミュニケーションをしているそうです。
それもそれで複雑ですが、少なくとも人間だからと見下している訳ではなさそうです。
ただし、猫社会において他猫の上に乗っかれるのは、どちらかというと立場が強い猫。見下しているわけではなさそうですが、知らない内に猫からマウンティングをとられているかもしれません。
猫が一緒に寝る位置別の心理
猫と一緒に眠るといっても、その位置は様々。飼い主さんの胸以外にもお腹や足元、顔の横などいたるところで添い寝します。実は猫が眠る位置によって飼い主さんに対する気持ちは異なっています。
お腹
猫がお腹の上で眠る理由は、胸の上で眠る理由とほぼ同じ。飼い主さんを独占したい、甘えたい、一緒にいたいなどの気持ちの表れです。
足元
飼い主さんの足元近くで眠る猫は、甘えつつもある程度距離を保ちたい心理状態。信用しているが念のために離れている、近くにいたいけど眠るのはジャマされたくないというツンデレ具合。
顔の近く
飼い主さんのことをかなり信用している猫は、顔の近くで眠ることがあります。眠っているとき、何かあっても飼い主さんのそばなら安心と思っているのかもしれません。
毛が鼻にあたって息苦しい……。
顔にお尻を向けている
添い寝において、猫からの信頼度が高い位置は顔の横です。実はさらにその上の信頼しているサインが存在します。それは、飼い主さんの顔に猫がおしりを向けてくること。
猫の世界においても、不用意に背中を見せるのは危険な行為。そんな重要な背後を飼い主さんの顔に向けてくれているのは、背中を預けても大丈夫!というサインです。また、肛門をくっつけてくるのは母猫に甘えていた子猫の頃を思い出しているからです。
猫好きのみなさん、寝起き肛門は信頼のサインです……
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猫と一緒に寝る効果
猫と一緒に眠ると、単純に温かい以外にもストレス軽減効果が期待できます。猫の癒し効果は様々な研究で証明されていることから、一緒に眠ることで穏やかな気持ちで過ごせる可能性が高いです。
モフモフしていて温かい
猫と一緒に眠る効果といえば、何といってもモフモフ被毛で温かくなることが挙げられます。暑い夏の季節は困りますが、寒さが厳しい冬だと幸せな温かさです。
きちんと愛情こめて育てている猫であれば、毛並みの艶やかさもバッチリ。下手な毛布より圧倒的に触り心地がいいです。
猫も人で暖をとれるのでwinwinです
幸せな気持ちになる
猫を撫でるとストレスホルモンが減少する一方で、幸福ホルモン「オキシトシン」が分泌されます。このオキシトシンには、リラックス効果もあるため、幸せな気持ちで眠りやすくなります。
猫の癒し効果は見ているだけでも得られます。直接触れ合える胸の上以外にも、枕横や足元など近くにいるときも微笑ましい気持ちになれます。
法政大学から公開された研究論文「猫と共に探求する新たな睡眠価値の創出(情報処理学会インタラクション2022,中橋侑里,ソンヨンア)」では、睡眠前の猫との接触は、被験者に対してリラックス感を与え好ましい共存関係があったことが報告されています。また、猫に対して愛着を持っていることが前提としながらも、毛繕いなどの睡眠妨害に対しても幸福感が生じていたとしています。
猫と一緒に寝る場合は注意点もある
猫が胸の上に乗ってくる理由は信頼や甘えによるものが大半です。
一見微笑ましい理由ですが、だからといって無条件で一緒に眠るのが好ましいわけではありません。猫と一緒に眠るときは、注意点も存在します。
ノミ・ダニ対策は必須
猫と一緒に眠るときはノミ・ダニ対策を万全にしましょう。最近は室内飼育が主流ですが、それでもノミ・ダニの危険がなくなったわけではありません。飼い主さんの衣類や靴に付着し侵入、洗濯物を取り込むときに紛れ込むなど、あらゆる経路から猫との生活空間内にノミ・ダニは入り込んできます。
ノミ・ダニにとって猫は餌場が備わった格好の寄生先。ノミ・ダニに寄生された猫と一緒に眠ると飼い主さんも被害に遭う可能性が高くなります。
猫に配慮したノミ対策はこちらで解説!
猫にとって危険なマダニにも備えよう!
猫が重い
胸の上に猫が乗ってきたとき、無視できない問題が重さです。
一般的な猫は大きくなると、約3~5kgまで育ちます。これは生まれて間もない赤ちゃんに近い数値。持ち上げる分には軽いですが長時間乗り続けるとなると、けっこうしんどいです。重くて苦しい。けど、猫が気持ちよさそうに寝ているから下ろせない。という贅沢な悩みを抱えることでしょう。
飼い主さんに多い苦悩ですよね
ゴロゴロ音や寝息で眠れない方も
胸に乗って眠るということは、猫の寝息やゴロゴロ音が聞こえやすいということ。顔の近くで眠られて、猫の発する音に目が覚めてしまう人も中にはいらっしゃいます。
とはいえ、猫の発するゴロゴロ音や寝息はそこまで大きいわけではありません。耳栓をつけて眠れば気にならなくなるレベルです。人によっては音に慣れて気にならなくなる方もいるでしょう。
人間のいびきよりは静かですよ
アレルギーには気を付けたい
猫と一緒に眠るのであれば、抜け毛によるアレルギーにも気をつけたいところ。猫アレルギーは後天的にも発生するため油断大敵。抜け毛だらけなベッドで過ごす期間が長いと、猫アレルギーを引き起こすリスクが高まります。既に猫アレルギーを有している方にとっても、ベッドの抜け毛は死活問題といえます。
ただ、最近は猫アレルギー克服に関する研究が進行。猫アレルギーの原因物質を少なくする「ピュリナ プロプラン リブクリア」というキャットフードも登場しています。
汚いと感じる方もいる
飼い主さんによっては、猫が寝床に入るのは汚いと感じられる方もいます。
昔の猫は放し飼いで外を歩き回った足で家に帰ってきていたので、そうした価値観を持っていても不思議ではありません。また、室内飼育であっても猫砂トイレで用を足した体で室内を動き回ることを考えると、確かに汚いかもしれません。
猫を汚いかどうかは個人の感性によるところが大きいため正しい、間違っているなどはありません。猫が寝床に入ってくることに衛生的な不安を感じられる方は、寝室に入れないための対策を施しましょう。
筆者はもう慣れているので気になりません
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猫と一緒に寝る方法
猫と一緒に寝るためには、信頼関係の構築が第一です。無防備な状態になる睡眠時でも、飼い主さんのそばであれば安心して過ごせるという風に猫が思わなければ、一緒に眠ってくれません。
次に重要なのが、無理に寝床へ連れていかないこと。猫は束縛されることを嫌う生き物。せっかく仲良くなっても無理矢理ベッドで寝かされたら怒ってしまいます。
猫を寝室に入れない方法
猫と一緒に眠りたくないと思っている人は、物理的に寝室に侵入できないよう対策を施す必要があります。
たとえば、寝室の扉にドアロックを設置する、つっぱりポールを立ててカーテンなどを隙間なく仕切るなどが挙げられます。はじめは寝室に入りたがって鳴くこともありますが、一貫した態度で臨み続ければ諦めるようになります。
最初は抵抗があっても猫と一緒に慣れることもある
猫の飼い主さんの中には、最初の頃は猫と一緒に眠ることに抵抗があったけど一緒に過ごしていくうちに慣れていった、という方も多くいるはず。抜け毛なども猫と暮らしていくうちに、そこまで気にならなくなっていくものです。
筆者の家族も猫を飼い始めた当初は抜け毛を嫌がり、猫がベッドに入ることも固く禁じていましたが一緒に暮らし始めて数年で態度が軟化しました。どうやら抜け毛に対して慣れていったようです。
猫と一緒に寝る風水
実は風水において、猫は微妙な立ち位置にいます。外猫が家に住み着くと運気が下がる、外を出歩くことで悪い気を家の中に持ち込むなど、マイナスの運気を呼び込むと言われています。一方で悪い気を持ち込むのは、あくまでも外猫が勝手に住み着いた話に限るようで、人間が迎え入れた猫は別とされています。
ややこしい
その一方で、風水的に猫は人・出会いとの良縁を招き入れるとも言われており、鼻の色によっては健康や子宝などの幸運も呼び込むとされています。
ただし、風水にとって汚れや散らかった場所はマイナスです。
猫と仲良く眠ろう!
猫が胸の上で寝る理由は、飼い主さんのそばなら安心して過ごせると信用しているから。信頼の証であり、猫が人間をバカにしている訳ではありません。
とはいえ、猫が胸の上で眠ることで、ゆっくり熟睡できない飼い主もいるはず。そうした場合は猫が寝室に入れないよう対策を講じることが効果的です。
猫とはお互い丁度よい距離感で生活しましょう