うっかり目を離したすきに、愛猫が醤油が入ったお皿をペロッ…。そんな場面に遭遇し、焦った経験はありませんか?
「少しだけだし、大丈夫かな?」「すぐ病院に連れていくべき?」と、不安になる飼い主さんも多いはずです。
結論から言うと、猫にとって醤油は基本的に与えてはいけない食品です。たとえ少量でも、猫の体にとっては負担となる成分が含まれており、状況によっては体調不良を引き起こすおそれもあります。
今回は、猫が醤油を舐めるリスクについてわかりやすく解説します。急なトラブル時にも落ち着いて対応できるよう、ぜひ最後までチェックしてください。
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猫が醤油を舐めても大丈夫?危険な理由とは

猫が醤油を少し舐めただけでも、「大丈夫かな…」と不安になる飼い主さんは多いでしょう。
結論から言うと、猫にとって醤油は与えてはいけない食品です。理由は大きく分けて3つあります。
猫にとって醤油は「塩分過多」になりやすい
醤油の主成分である「塩分」は、猫の健康にとって大きな負担となります。人間にとっては少量に感じる量でも、体が小さい猫にとっては、すぐに塩分過多の状態に陥ってしまう可能性があります。
特に注意が必要なのが、慢性的な塩分の摂取。場合によって猫の体に負担がかかることも。猫はもともと腎臓の病気になりやすい動物ですので、ちょっとした塩分摂取も楽観視できません。
添加物やアルコールなどのリスクも
市販の醤油には、塩分以外にも猫の体に悪影響を与える添加物やアルコール分が含まれていることがあります。もちろん、人間にとっては無害ですが、猫に対しては話が別。
特に「本醸造」や「生醤油」などには、製造過程でわずかながらアルコールが残っている場合もあり、猫にとっては中毒のリスクがあります。また、保存性を高めるために使われる添加物(保存料やうま味調味料など)も、猫には好ましくないでしょう。
匂いに惹かれることもあるが安全ではない
醤油の香ばしい匂いに反応して、近づいたり舐めたがったりする好奇心旺盛な猫もいます。理由としては、発酵食品に含まれるアミノ酸やうま味成分が、猫の嗅覚を刺激して興味を持たせているのかもしれません。
ですが、興味を持つ=与えてもよい、わけではありません。猫が匂いにつられて興味津々な様子で近づいてきても、それが体に良いものであるとは限らないのです。むしろ、猫が好む香りであっても危険な食材はたくさんあります。
猫が醤油を舐めた後に現れるかもしれない症状

猫が醤油を舐めてしまった場合、すぐに体調に変化が現れるとは限りません。少しだけの場合は特に何も起きないケースも多いでしょう。しかし、猫の体は人間よりもずっと繊細。体に合わないものを摂取すると、思わぬ症状が出ることがあります。
醤油を舐めた後、以下のような体調の変化が見られる場合は要注意です。
- 嘔吐や下痢
- 元気がない、ぐったりしている
- 水を大量に飲む、逆にまったく飲まない
加工食品に含まれる醤油にも要注意(煎餅・佃煮など)
意外と見落とされがちなのが、人間用の加工食品に含まれる醤油です。例えば以下のような食品には、濃い醤油が使われていることが多く、猫が誤って口にしてしまうと、さらにリスクが高まります。
- 醤油煎餅(表面にたっぷり塗られていることが多い)
- 佃煮(塩分・糖分・醤油の三重苦)
- 醤油がけの大根おろしやおひたしなど
食卓に置きっぱなしにしていたものを猫が舐めてしまうというケースも少なくないはずです。
猫が醤油を舐めたときの正しい対処法

猫が醤油を舐めてしまった…そんなとき、まず何をすべきか分からず慌ててしまう方も多いでしょう。
ここでは、状況に応じた適切な対応方法と、受診すべきかどうかの判断基準をわかりやすく解説します。
まずは様子を見るべきか?
猫がほんの少し醤油を舐めただけの場合、すぐに症状が出るとは限りません。落ち着いて様子を観察すれば問題がないこともあります。ただし、「少し」の基準は明確になっておらず曖昧。猫の体重や持病などの体調を基準に判断する必要があります。
- 舐めた量がごく少量(醤油皿を1〜2回舐めた程度)
- しばらく体調に明らかな異変が見られない
- 元気・食欲・排泄が普段どおりである
このような場合でも、最低24時間は経過観察を行い、いつもと違う様子がないかこまめに確認しましょう。
少しでも違和感を覚えた場合は動物病院に連絡し、対応を相談されることをおすすめします。
受診の判断基準とタイミング
以下のような場合には、自己判断せず、できるだけ早めに動物病院に連絡・受診されることを推奨します。
- 嘔吐・下痢を繰り返す
- 呼吸が浅い、あるいは速い
- ぐったりして動かない
- 水をまったく飲まない、逆に大量に飲む
- 大量の醤油を舐めた可能性がある
- 高齢猫や持病などがある
また、舐めた量が分からない場合や、体調が「いつもと違う気がする」という程度でも、早めの相談がリスク回避につながります。
塩分過多は猫にとって大敵。 根拠なく「大丈夫だろう」と思わず、安全を優先した判断を心がけましょう。また、今後同じことが起きないように、食卓の醤油皿や調味料を猫の手の届くところに置かないようにする習慣づけも大切です。
猫が醤油を舐めないようにする予防法

猫が醤油を舐めるのを防ぐには、そもそも猫が醤油を舐める状況をつくらない工夫が大切です。猫は人間の行動や食事に強い興味を持つため、普段の生活の中で少しの意識づけと環境の整備が大きな予防につながります。
食卓管理や調味料の保管の工夫
一番基本的な対策は、「猫が醤油に近づけない環境をつくる」ことです。
- 醤油皿をテーブルに放置しない
- 食事中は猫をテーブルの上に乗せない習慣をつける
- 醤油や調味料は必ずフタ付き容器に入れる
- 食後はすぐに食器を片付ける
人間にとっては当たり前でも、猫にとってキッチンや食卓は「おいしそうな匂いがする場所」として魅力的に感じてしまうことがあります。飼い主の少しの意識で、誤食・誤飲をかなり防ぐことができます。
好奇心が強い猫へのしつけ・工夫
猫の中には、食べ物や匂いに対して好奇心が強い子もいます。こうしたタイプの猫には、「興味の対象をそらす」工夫も効果的です。
- 食事中は猫用のおやつや知育玩具で気をそらす
- ダイニングとキッチンを物理的に仕切る(ゲートなど)
- 「乗ってはいけない場所」に登ったら静かに下ろすことを繰り返す(根気よく)
ただし、猫はしつけが難しい動物。叱るよりも環境整備で物理的に防ぐほうが現実的です。
猫のキッチン対策はこちらで解説!

猫と醤油に関するよくある質問
猫に醤油はNG。少量でも気をつけて!

猫にとって、醤油は決して安全な食品ではありません。たとえ少量であっても、塩分や添加物の影響によって体調を崩すリスクがあり、特に体の小さい猫にとっては深刻な被害につながることもあります。「ほんのひと舐めだから大丈夫」「匂いを嗅いだだけだから平気」と油断せず、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 猫にとって塩分は毒になりうるため、醤油はNG
- 嘔吐・下痢・ぐったりするなどの症状が出たら要注意
- 舐めた量に関係なく、体調変化があればすぐに受診
- 食卓管理と環境づくりで、そもそも舐めさせない工夫を
- 加工食品(佃煮など)にも含まれる醤油に注意
猫は自分で食べ物の安全を判断できないからこそ、飼い主が守ってあげる必要があります。大切な愛猫を守るためにも、「猫に醤油はNG」としっかり意識しておきましょう。