【結論】
無理に切ろうとせず様子見するのが大切です。1日1本ずつでもいいので、少しずつ爪切りをしていくと嫌がれにくいです。
猫の爪切りは、なかなかの難題。猫にとって不快な作業であり、暴れたり嫌がったりすることも多いです。とはいえ、爪切りしないと思わぬ事故のリスクも高まってしまいます。
そこで今回は猫歴20年以上の筆者「たけのこ」が猫が爪切りを嫌がるときの対策について解説していきます。
猫と飼い主双方がストレスフリーになれるよう解説します
猫ブロガー
たけのこ(Takenoko)
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猫と暮らして20年以上。猫ニュースメディアのライターとして活動。いままで500本以上の猫に関する記事を執筆!猫たちの幸せに繋がればという想いで当サイトを運営しています。ペットフード/ペットマナー検定合格。飼い猫を主役とした絵本も出版。
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猫が爪切りを嫌がるときの対策
猫の爪の長さは適切でないと、カーテンやカーペットにひっかかったり、怪我を負ったりする危険が高くなります。しかし、肝心の猫が協力的になってくれないと切れるものも切れません。そこで、猫が爪切りを嫌がるときの対策として効果的な方法を紹介します。
①1日1本のヒット&アウェイ方法
猫が爪切りを嫌がると、一度にすべての爪を切るのはストレスフル。猫も抵抗して大暴れしますし、飼い主さんもケガするかもしれません。そのような場合オススメなのが「1日1本のヒット&アウェイ方法」。
猫の爪を毎日一本ずつ切っていきます。これなら難易度も大幅に低下する上、猫が爪切りで感じるストレスも削減されます。加えて、短時間で行えるので飼い主さんも楽です。調子がいいときは、そのまま2~3本と追加で切ってもOKですが深追いすると怒られてしまう点にはお気を付けください。
②バスタオルなどに包む
爪切りする際、猫が使い慣れているバスタオルなどで体を包んであげるのも効果的。猫の動きを制限でき、安全性が増します。特に暴れることが多い猫に対して効果的な手法です。バスタオルに包み猫の体を適度に固定することで、噛まれる被害も防げます。
ただし、タオルで包むときは猫が苦しくならないように顔は出しておくこと。また、猫が過度にストレスを感じないよう強く包み込まないことも配慮してあげましょう。
③後ろ足は猫用ハンモックを使うと楽
後ろ足の爪切りは前足よりも一般的に難しく、猫も敏感に反応することが多いです。暴れる力も強いため、拘束を振りほどくことも少なくありません。このような状況で助けとなるのが「猫用ハンモック」。
猫用ハンモックで猫を吊るすことで、後ろ足が自然と浮く形となり、爪切りが格段に行いやすくなります。猫も暴れにくいため、安心して爪切りしやすくなります。
ただし、ハンモックを初めて使う場合は、事前に猫が慣れる時間を設けることが重要です。加えて猫の負担にならないよう短時間を意識することも大切です。ハンモックは吊るして使う商品ですが、あまりにも高い位置に吊るすと猫がすり抜けた際、転落して怪我を負うリスクもあります。脱出されても怪我しないように、できるだけ低い位置に吊るしてあげましょう。
④猫の頭にコロコロシールを貼ったら大人しくなったケースもある
SNSには、猫の頭にコロコロのシールを貼ることで爪切り時に大人しくなった、というケースもあるようです。理由は定かではありませんが、もしかすると頭についたコロコロシールが気になって爪切りどころではなくなるのかもしれません。
ただ、コロコロシールで大人しくなるかは猫ごとに個体差があるとのこと。どうしても、猫の爪切りがうまくいかないとき試してみる価値はあるかもしれません。
参考:神戸新聞「まるで置物」おとなしく爪を切らせてくれる猫が話題 「こんな方法で!?」「試してみなければっ!」
猫の爪の正しい切り方
猫の爪切りは定期的に行う飼い主の義務。そのため、正確かつ安全な方法で、爪切りを行う方法を身に付けていくことが求められます。爪切りしているかどうかは、猫の暮らしの快適さや健康に直結します。ここでは正しい猫の爪切り方法を解説します。
猫の爪は透明な部分だけを切ること
猫の爪はどこまで切るべきなのか?という疑問は、初心者飼い主さんの大半が直面する悩みです。答えは爪先の透明部分まで。鋭くなっているところを少しだけ切る程度でOKです。
注意点として、ピンク色の部分は切ってはいけません。ピンク色の部分は、クイックとも呼ばれ猫の毛細血管や神経が存在します。ここを傷つけてしまうと出血する上猫に強烈な痛みを与えてしまいます。多少神経質になるくらい、ピンク色部分から離れた個所を切りましょう。
爪切りの頻度
猫の爪切り頻度は諸説ありますが、一般的には2〜4週間に1回程度が好ましいという意見が多いです。爪の伸び具合は個体差や飼い主さんがどのくらい爪を切ったか、自然に爪が削る機会があるかなどによっても左右されます。
定期的にチェックを行い、先っぽが鋭くなってきているようであれば爪切りしてあげましょう。
爪切り中に猫に噛まれる時の工夫
爪切り中、抵抗する猫に手を噛まれて痛い思いをする飼い主さんも多いはず。そうしたときの工夫として猫用マスクを使用することが挙げられます。見た目は凶悪犯の拘束具みたいですが、これで噛まれるリスクはかなり軽減されます。
あとは厚めの手袋・軍手を装着しておくのもひとつの対策です。正直、装着していても力強く噛まれたら多少痛みを感じますが、ないよりはマシです。
ペットグローブを装備する選択肢もありますが、頑丈なタイプの商品は、指を動かしにくく細かい作業が行いにくくなるデメリットが存在します。爪切りはそれなりに集中して行う細かい作業であるため、ペットグローブを装着したまま行うのは難しいです。
大暴れするときの工夫
猫が大暴れする場合、一旦爪切りを中断して仕切り直しましょう。興奮しているとき無理に強行すると、より激しく暴れられて手元が狂う恐れがあります。猫も爪切りに対して、トラウマを抱えやすく今後の爪切りがさらに難しくなる可能性があります。
猫が大暴れするときは一度作業を中断し、後日改めてチャレンジできるか様子見しましょう。猫がリラックスしているタイミングを狙うのがコツです。
どうしても大暴れするときは、動物病院で爪切りしてもらうのもひとつの選択肢です。もちろん費用や連れていく負担はかかり、猫にもストレスを与えてしまいます。一方で、動物病院で爪切りしてもらうメリットもあります。
動物病院には猫の扱いに慣れたプロたちが複数人在籍し、設備や道具も揃っています。手慣れてもいるため、爪を切り過ぎるといったトラブルが起きるリスクも低め。素人である飼い主さんが無理して行うよりも、プロに任せた方がスムーズに完了します。健康診断がてら、お願いするのもよいでしょう。
子猫の爪切りは成猫と少し違う
子猫の爪は成猫のものと比べると柔らかめ。爪をコントロールする筋肉も未熟なため、怪我や事故を起こさないようこまめに切ってあげる必要があります。子猫の爪を切るのであれば、ギロチンよりもハサミタイプの方がオススメです。
老猫の爪切りも配慮してあげたいところ
老猫は若いころに比べ、活動量が大幅に低下します。爪とぎする頻度も少なくなるため、古い爪の層が剥がれにくく伸びすぎることで巻き爪のリスクも出てきます。
猫が爪切りを嫌がる理由
- 拘束されるのが怖い
- デリケートな足に触られるのが不安
- 爪切りの振動や音が嫌い
- 過去に爪切りで痛い思いをしたことがある
- 爪切りするとき緊張している飼い主さんが怖い
猫が爪切りを嫌がる理由はいくつかあります。ひとつは拘束されて自由を奪われることに対するストレス。拘束され身動きが取れない状況は猫にとっても恐怖。敵に襲われても逃げることができません。警戒心が強い猫にとっては、無視できない問題といえます。
ふたつめは、足は猫のデリケート部位であるためです。足は獲物を狩るための武器。猫にとっては足の負傷は致命的なダメージとなります。相手が飼い主さんとはいえ、大事な足を触られるのは猫も不安なのです。
その他にも、爪切りの振動や音が嫌い、過去に爪切りで痛い思いをしてトラウマを持っているなど猫によって嫌いな理由は様々です。
猫の爪切りおすすめグッズ
世の中には多くの爪切り補助具が出回っていますが、それぞれの猫や飼い主と相性が合ったものを選ぶことが重要です。ここでは猫の爪切りグッズの中でも特におすすめアイテムを紹介します。
初心者向け!猫用爪切り(ハサミ)
初心者におすすめなのは、シンプルで使いやすいハサミ型の爪切り。このタイプの爪切りは、見た目が一般的なハサミと同じで操作性が高いため、初めての人でも扱いやすいです。爪を切る角度や力の加減も直感的に調整できるため、爪切りも行いやすいです。
猫壱のストレスなくスパッと切れる猫用爪切り
猫壱のストレスなくスパッと切れる猫用爪切りは、猫の爪構造に配慮されスパッと切れるため、その名の通り猫も飼い主さんもストレスなく爪切りしやすいです。刃の厚さが薄いので、狙いを定めやすいのも特徴的です。
ペティオのnecoco(ネココ)
猫用爪切りは、ペティオのnecoco(ネココ)もオススメ。爪割れしにくい丸い刃を採用しており、爪への負担は少なめです。加えて、深爪防止ストッパーも付いているので爪を切り過ぎる心配が少なく済みます。筆者も現在はこのペティオのnecoco(ネココ)を利用しています。
猫用電動爪ヤスリ
猫用の電動爪ヤスリは、電動グラインダーで爪を削る商品。この方法は、猫が爪切りの「切る」感触を嫌がる場合に有用です。ただし、あくまでも目的は爪とぎ。しっかり爪の長さを短くできるかは微妙なところ。
爪切り不要な爪とぎbibi Nyan (ビビニャン)
「bibi Nyan(ビビニャン)」は、爪切り不要な新感覚爪とぎです。この製品は、猫が爪を研ぐことで、自然と爪の長さを調整できるというコンセプト。爪とぎに仕込んであるヤスリによって爪が短くなっていきます。
野良猫出身の保護猫など、警戒心が強くなかなか爪を切らせてくれない猫に対して有効な方法と言えるでしょう。
猫壱(necoichi) おちつくネット
猫は狭いところに入ると安心感を得て落ち着くという性質を利用したのが、猫壱(necoichi) おちつくネット。網目状のネットであるためスキマから爪を切ることも可能です。猫が爪切りを怖がって暴れてしまうときに役立つグッズです。
ただし、どの程度猫が落ち着くかは個体差が大きく現れるところ。筆者の飼い猫トモくんには効果が薄かったので、数ある対策グッズのひとつとして使うのが無難です。
猫の爪切りギロチンタイプでのやり方
ギロチン型の爪切りは、円形の刃が爪を囲むような形状をしており、レバー操作で爪を切るタイプです。この方式は最初は使いにくいと感じやすいですが、慣れれば正確に爪を切ることができ、猫の負担も少なく済みます。
ハサミタイプ同様、使用する際には刃が爪の透明部分に当たるように調整することが重要です。
猫の爪切り不要手術(抜爪手術)は非推奨
余談ではありますが猫の爪を完全に取り除く手術、いわゆる「抜爪手術」は猫に大きな精神的ストレスと身体的負担を与えます。自己防衛に必要な爪を奪い、ストレス発散も兼ねている爪とぎをできなくすることに対して、倫理上の問題も指摘されています。
実際、アメリカのニューヨーク州をはじめ複数の州が猫の抜爪手術を問題視し法律で禁止しています。日本には猫の抜爪手術に関する法律はなく、動物愛護法でも触れられていません。そのため、現時点では合法ですが前述の通り猫への負担が大きく倫理的疑問が強いのも事実です。
猫の爪切りよくある質問
- 子猫の爪切りはいつから?
-
生後1か月ごろからが望ましいです。
- 猫の爪切り頻度は?
-
2週間から1ヶ月くらいというパターンが多いです。
- 動物病院で猫の爪切りだけを依頼できる?
-
可能です。
- 猫の爪切り料金相場は?
-
1,000円+診察代程度は、見積もっておくことをオススメします。
猫の爪きりは欠かさず行おう!
猫の爪切りは、猫自身の快適性と安全性を確保するために必要不可欠なケアです。切り方や用具選び、猫の特性に合わせた方法で行うことが大切です。
ギロチン型やハサミ型など様々な用具がありますが、それぞれ使い勝手が異なるため、猫や飼い主さんに最も適したものを選びましょう。