【結論】
筆者はトイレの上にビニール袋を敷いて溜まった尿をゆっくり採尿するスタイルをとっています。他にもウロキャッチャーなど便利な採尿アイテムを使用するのもひとつの方法です。
尿検査は猫にとって非常に重要な定期健診。早期に猫の体調不良に気付いてあげるためにも、定期的に行ってあげたいものです。ただ、尿検査を行うには猫の採尿が必要不可欠。基本的には自宅で採ってきてといわれるので、飼い主さんが自力で採尿する必要があるのですが、これがまた難しいです。
今回は猫歴20年以上でペットライターとしても活動している筆者「たけのこ」が、猫の採尿がうまくいかないときのコツを解説します。
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筆者流の猫の採尿方法
筆者は、トイレの猫砂の上にビニール袋を敷くという方法でいつも採尿しています。猫がビニール袋の上に出した尿をスポイトで回収するだけです。
とてもシンプルな方法ですが、これなら猫が排尿するのを待ち構えないで済みますし、猫にプレッシャーをかけることもありません。人によってはラップを使用される方もいるようですが、ビニール袋の方が隙間なく敷けて手軽です。
ただし、注意点もあります。ひとつは猫がビニールの上で排尿するかどうかは個体差がある点。神経質な猫だと警戒して、トイレの使用を避ける可能性もあります。その場合は、別の採尿方法に取り組むべきでしょう。
ふたつめの注意点は、採取した際に猫砂の破片が尿検体に混入する可能性が高いところ。ビニールの上に猫砂が飛び散りやすいので、余計なものが紛れ込みやすいです。筆者の場合は、採尿方法をかかりつけ獣医師に相談。多少、猫砂が混ざっても問題ないとOKをもらってます。そこまで問題はないそうです。
その他の猫の採尿方法
筆者が採尿するときは基本的に上記のパターンですが、それ以外にも猫のおしっこを採取する方法はあります。様々な方法がありますので、ここで紹介していきます。
お玉で尿をキャッチ
猫の採尿方法として有名なのが、猫の尿をお玉でキャッチするという方法。何がどうしてこの方法が有名になったかは不明です。
正直、筆者的にはお玉の使用はおすすめしません。その理由は難しいから。猫が排尿するのを待ち構えている必要がある上、猫がおしっこを出し終わる前にお尻の下にお玉を持っていかなければなりません。
ウロキャッチャー
ウロキャッチャーは、先端に特殊スポンジが装着された採尿アイテム。先端をおしっこに当てるだけで簡単に採尿できる優れものです。排尿中のおしっこに当てる必要があるため、それでも手こずることはありますが慣れたら簡単です。
システムトイレの設置
システムトイレとは、猫砂が入る上層と排尿をためる下層で分かれているペットトイレのタイプです。上層の底面がすのこ式になっており、そこから排泄した尿が下に溜まっていくという仕組みです。
システムトイレには、下記のようなメリットがあります。
- 採尿がしやすい
- 猫の排尿状況を確認しやすい
- 掃除が固まる猫砂のトイレよりも比較的楽になりやすい
こと採尿することだけで判断するのであれば、従来の固まる猫砂タイプのトイレよりシステムトイレの方が採尿の手間暇はシンプルになりやすいです。
ただし、こまめに掃除をしていないと古い尿と新しいものが混ざってしまう可能性があります。その場合、採尿のサンプルとしては不向きとなるケースも想定されます。
また、飼い主にとってはメリットがあるシステムトイレですが、猫にとっては好みが分かれるという指摘もあります。掃除の手間が楽になるメリットはありますが、まったくゼロになるわけではないため過度な期待は避けた方が無難です。
採尿シート
採尿シートとは、その名の通り採尿することを目的としたペットシートです。猫が排泄した尿を吸収してくれるシートで、絞ることで採尿することが可能。こちらも手軽に尿を採取できるので評判はいいです。
使い方は、ハサミで細かくカットして猫トイレに敷く他、排尿するタイミングで直接下に置く方法でOKです。ただ、従来のトイレで使う方固まる猫砂だとやりにくいため、システムトイレ向けな印象です。
動物病院でお願いする
基本的に尿検査の採尿は飼い主さんが自宅で採取するものですが難しいようであれば、動物病院にお願いする方法もあります。対応は獣医師・動物病院にもよりますが直接膀胱から尿を採取することも可能です。
ただし、この方法は猫に大きなストレスを与える可能性が高いです。ただでさえストレスが大きい動物病院での処置が増えるため、猫の負担も大きくなりやすいです。筆者のかかりつけ動物病院では可能だけど、自宅で採取できるならそれに越したことはないとのことでした。
猫の採尿容器
筆者が採尿で使用している容器は上記の通り。プラスチック製の小型容器と使い捨てスポイトを購入してます。筆者の通っている動物病院では、持ち込む猫の採尿容器は厳密に規格が決められている訳ではないです。
動物病院にもよるとは思いますが、基本的には小型でフタがしまるプラスチック容器であればそこまで問題はないでしょう。
猫の採尿ができないときのコツ
どうしても猫の採尿がうまくいかないという飼い主さん向けに、筆者が意識しているコツをまとめました。猫の採尿がスムーズにいかないときの参考にお役立てください。
猫にプレッシャーを与えない
まず大事にしているのが、排尿しようとしている猫にプレッシャーを与えないこと。猫にとって排泄という行為は、警戒が緩む危険な瞬間。一瞬のスキが致命的になることも珍しくない野生において、排泄は命がけな行為でした。
もちろんイエネコの現在では、そうした危険はありませんが習性として現在にも引き継がれています。そのため、排泄しようとしているときに、採尿しようと身構えていると猫が緊張してトイレを我慢してしまうかもしれません。
焦らないことも大事
焦らないことも採尿で大事にしたいポイントです。なんとしてでも診察までに尿を採取しなくてはと焦ってしまうと、失敗してしまう可能性があります。猫に対しても意図せずプレッシャーをかけてしまうこともあるでしょう。
一応、尿検査で用いる尿は6時間までのものが好ましいとされていますが、難しい場合は冷蔵保存したものでもOKという意見が多め。なかなかうまくいかないときは、前日の夜に採取したものを冷蔵保存しておき、当日採れなかったら、そちらを持っていくのもひとつの作戦です。
飼い主さんと猫に合わせた採尿方法を模索
猫の採尿がうまくいかないときのコツとして、様々な方法を試してみることも挙げられます。ネットなどで調べたら数多くの採尿方法が出てきますが、どれがベストな方法かは猫と飼い主さんによって異なります。
筆者はトイレにビニールシートを設置することでうまくいっていますが、猫によっては警戒してトイレを避けてしまう子もいるでしょう。その他にも、ウロキャッチーで採尿するのがうまくいかない飼い主さんもいるはず。
そのため、どの方法が一番相性がいいのか、いろいろ試してみることが大切です。最初はどれもうまくいかないかもしれませんが、比較的マシなものをベースとして回数をこなせば採尿が上達するはずです。
猫の採尿のFAQ
猫のおしっこを採尿しよう!
猫の尿検査は定期的に行いたい健康管理です。そのため、猫の採尿は飼い主さんがマスターしておくべきスキルといっても過言ではありません。実際は猫がなかなかトイレに行かない、うまく尿をキャッチできないなど苦労も多いですが、大事な猫のためにも頑張って上達しましょう。
今回の記事を参考に、猫の採尿にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。