【結論】
一部の団体が厳しすぎる審査や礼節を伴わない対応をしているという話はチラホラあります。ただし、すべてがそうとは限らず審査の厳しさは必要であるため一概に良し悪しを論ずることはできません。基準が厳しい点についても当たり前だと考えます。それだけ命を託す判断には責任が伴うのです。
猫の保護団体は、虐待や遺棄などの被害に遭った猫を守るべく活動している動物愛護団体。業態は様々ですが、NPOやボランティアなど非営利団体も該当します。
日々、猫のために尽力し、ときには利益ではなく猫たちの命を優先している保護団体の方々。しかし、ネット上には猫の保護団体に対して「狂っている・頭がおかしい」と冷たい意見を述べられる方もいます。
いったいどうしてそうした声が出現してしまっているのか?今回は猫の飼い主である筆者が猫の保護団体について解説します。
猫ブロガー
たけのこ(Takenoko)
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猫と暮らして20年以上。猫ニュースメディアのライターとして活動。いままで500本以上の猫に関する記事を執筆!猫たちの幸せに繋がればという想いで当サイトを運営しています。ペットフード/ペットマナー検定合格。飼い猫を主役とした絵本も出版。
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黒猫トモくん(Tomo)
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運営者の飼い猫であり当サイトの編集長。保護猫出身。黒猫。甘えん坊な男の子。猫専門配信アプリnekochan公式ライバー。YouTubeも配信中!
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猫の保護・愛護団体とは
動物の保護団体(もしくは愛護団体)とは、その名の通り動物の福祉を守るために活動する団体のことです。動物が安全で健康な生活を送れる尽力するために日々活動しています。
猫の保護団体(愛護団体)は、主に猫を対象として活動しています。活動内容は様々。猫の保護活動や里親募集など多岐に渡ります。民間の場合、その多くが非営利団体として活動しています。
猫の保護団体は狂っているという噂について
猫の保護団体に対する「狂っている」というレッテル。このような噂や見方は一部で少なからず存在します。ここでは、そうした噂や意見が現れるようになった背景について解説します。
猫の保護・譲渡に対する情熱が強すぎる
「猫の保護団体はおかしい」と一部の人が感じてしまった理由として、活動に対する情熱が強すぎてしまったことが一因として考えられます。前提として、猫の保護活動において情熱は大切。猫を愛する強い想いがなければ保護活動は行えません。
しかし、猫に対して思い入れがそこまで強くない人からすると、活動的な保護団体・活動家の言動は過激に思えてしまうこともあります。
猫の保護団体といっても千差万別
猫の保護団体といっても様々。対応や審査方法も団体によって詳細は異なります。一概にすべての保護団体が「狂っている」とは言えません。
たしかに、一部の保護団体は改善すべき点は数多く抱えていることでしょう。礼節を伴っていない団体によって、譲渡の際に嫌な思いを経験してしまった人たちもいるはずです。そうした経験をすると猫の保護団体に対して、マイナスのイメージを持ってしまうのは当たり前ともいえます。
一方で誠意・良識ある対応を心掛けている団体も存在します。一括りに猫の保護団体はみんな頭がおかしいというのは、頑張っている良識ある人達にとって酷な話です。
猫の里親募集してる人たちの問題視されている行動
- 言動が失礼・礼儀やマナーがない
- 里親応募の際、必要以上に個人情報を確認してくる
- 里親応募者に対して最初から疑いの目を向けてくる
- 猫に対する価値観を押し付けてくる
- 人の話を聞かないくせに自分の意見を押し通そうとする
- 引き取ってもらうという立場なのに、上から目線で応募者を選定する
- 定期的なレポート提出
- 突然の自宅訪問など
上記はネット上でよく見かける、不満を感じた保護猫団体の行動例です。これをみると、たしかに猫の保護団体を怖いと感じてしまうのは無理ないかもしれません。
ただし、すべての団体がそうという訳ではなく適切な対応・活動をしている活動家や団体もいます。また、こうした事例は他の分野においても発生することがありますが、実際は一部の活動家・組織の言動が目立ってしまっているだけというケースも多いです。
また、疑いの目を向けるのは仕方がありません。里親の応募者の中には、個人情報を偽り不当な目的で猫を引き取ろうとする輩もいます。実際、悪意ある人間の手に譲渡されてしまった猫が悲惨な事件に巻き込まれてしまった事例も存在します。
保護団体は厳格に里親を審査しなければならない
正直なところ、保護猫の里親の審査は決して緩くはありません。身分や収入を証明しなければいけない上に定期的な報告が必要なケースもあります。保護・愛護団体によっては必要以上に厳しく設定してしまっているケースもあるでしょう。
その一方で、厳格に審査しないと悪意ある人間の元に猫を引き渡してしまうというリスクも考えられます。審査が緩いと、不適切な里親が猫を引き取る可能性が高くなり事件が起こる恐れもあります。現に保護猫を譲渡された里親が、虐待を行い逮捕・書類送検された事件は過去に発生しています。
参考:時事通信「里親に応募、子猫2匹虐待疑い 20代男を書類送検―沖縄県警」
せっかく保護して幸せになってもらいたくて、譲渡した猫が悪意ある人間に引き取られ虐待されてしまうという現実はツラいもの。不幸な猫を増やさないために、多くの団体が厳格な審査を実施しています。
「保護猫団体は嫌い!怖い!」と憤る前に考えたいこと
前述の通り、それはないだろうという対応を続けている保護団体は少なからず存在します。過度に厳格な里親審査、熱心すぎると感じる活動スタイル、あるいは一部のボランティアのマナーがない振る舞いなど、嫌な思いをした方からすれば、「嫌い!怖い!」と感じてしまうのは仕方がないことでしょう。
その一方で、どうしてそうした事態が起きているのか視点を変え、事実を冷静に評価する必要もあります。里親募集の条件が厳しく応募者を選定する背景には、猫に対する真剣な思いや過去の失敗が影響しています。過去に信頼して譲渡した里親が虐待したケースがあれば、次回からはそのような事態を防ぐために、最初から警戒して厳格な審査を行うのは自然な流れです。
もちろん、過度な審査・傲慢な対応は改めるべき。自身の体験談をSNSなどで共有することも個人の自由です。ただ、多くの団体が真剣に動物福祉に取り組んでいるという事実をスルーした主張や保護猫団体を誹謗中傷する投稿は控えた方が好ましいです。
信用できる動物愛護団体
正直、信頼性のある動物愛護団体を見つけるのは至難の業です。多くの保護団体が誠実な活動をしているといっても外部から確認する方法は限られています。実績や透明性、評判を調査することがひとつですが、運悪く対応が悪いボランティアを引き当てる懸念もあります。
そんな課題に対する、ひとつの提案が保護犬・保護猫マッチングサイト「OMUSUBI」を仲介した里親応募です。OMUSUBIは、ペットの里親になりたい人と保護団体とを結びつけるマッチングサイト。
ただし、OMUSUBIに登録できる団体は事前審査をクリアする必要があります。運営体制に問題がある動物保護団体が通過するのは困難。信用性を重要視する里親希望の方にとって、相性が良いです。
猫ボランティアをやめたいと考える人は当然いる
- 猫を取り巻く現実にショックをうけた
- 無償のボランティアとしては活動の負担が重くなってきた
- 猫の保護団体に対する風当たりが強く心が折れた
- 団体内の人間関係がツラい
猫ボランティアをやめたい、と感じる声もネット上でチラホラ存在します。しかし、それは必ずしも猫の保護団体の活動がおかしいからとは限りません。
ボランティア活動は心からの献身が必要です。しかし、活動の負担が重くなってくると善意だけで続けることは非常に困難。辞めたくてもやめられずストレスを感じることもあるでしょう。
元々、報酬が発生しないボランティアを続けること自体が負担の大きい行動です。遅かれ早かれ個々人の事情で辞めたいと感じるタイミングは訪れます。
猫の保護団体すべてがおかしいわけではない!
猫の保護団体は頭おかしいなどと批判されることもありますが、里親を厳しく選定するのには理由がある・すべての団体が同じという訳ではないことを理解することが大切です。世の中には多くの猫が救われる機会を求めています。そのためにも、保護団体と協力し、より多くの猫が幸せな生活を送るために何ができるか考えるべきです。